River

River
石井 裕子
2020/09/15 ~ 2020/09/27
Jam Photo Gallery

家族の繋がりと尊さを思いながら写す石井祐子の世界は、繊細で優しさに満ちています。しかしその中には、儚さとと同時に強さが存在します。モノクローム約25点を展示します。

 

2019年7月、私は初めてライン川のほとりに立った。川面は深い緑色に近く水量はたっ ぷりと豊かだった。足元から1メートル足らずをとうとうと流れ る無防備とも思えるその流れは、堤防で遮られた川しか知らない私にとっては新鮮だった。

明日、この街で娘は結婚式を挙げる。花婿が洗礼を受け、彼の両親も式を挙げた教会だ。純白のドレスを眺めながら、若い2人にとどまらず、ご両親の時代にも遡る数々のエポソードを聞き、熟成された記憶や思い出は、優しく、暖かく、切ない。

私は両親の反対により駆け落ちをしている。悲しい思いをさせた。辛い思いもした。それも今となっては私の大切な一部分だ。祖父母、父、母、息子、長女、次女。どんなことがあろうと家族の絆は切れることなく繋がっている。なにごともなかったかのように静かに流れる目の前の川のように。