River

River
石井 裕子
2020/04/28 ~ 2020/05/10
Jam Photo Gallery

家族の繋がりと尊さを思いながら写す石井祐子の世界は、繊細で優しさに満ちています。しかし、その中には、儚さともの寂しさも同時に感じます。モノクローム約 20 点を展示します。

 

2019 年 7 月、私は初めてライン川のほとりに立った。ライン川の水の色は深い緑色に近く水量はたっぷりと豊かだ。堤防を見慣れている私にとって、遊歩道の足元から 1 メートル足らずをとうとうと流れる無防備なその流れはとても新鮮だった。  この街で娘は結婚式を挙げる。花婿の両親が結婚式を挙げ、花婿が洗礼を受けた教会で。数々のエピソードは若い 2 人にとどまらず、ご両親の時代にも遡り、その昔に想いを馳せる。静かに流れる時間の中でゆっくりと熟成された記憶や思い出は、優しく、暖かく、心地よい。流れを見ながら自らを顧みる。  私は両親の反対により駆け落ちをしている。悲しい思いをさせた。辛い思いもした。それも今となっては私の大切な一部分だ。どんなことがあろうと家族の絆は切れることなく繋がっている。

私はこの大きな流れのどこにいるのだろう?何事もなかったように静かに流れるこの川の中で。 石井祐子