薄井大還写真展「天と地の境で」 其の2 - 魂の叫び・十二代目市川團十郎 -

薄井大還写真展「天と地の境で」 其の2 - 魂の叫び・十二代目市川團十郎 -
薄井 大還
2020/06/03 ~ 2020/06/27
Kiyoyuki Kuwabara Accounting Gallery

十二代目市川團十郎丈は、生前常々歌舞伎で大事なのは「氣」だと話していた。今は魂となり、天国から叫んでいるような氣がする。息子海老蔵さんに「暫」の稽古をつけている時も「氣」だと話していた。歌舞伎役者の「氣」とはどのような氣なのか、スポーツでいう気合いなのか、歌舞伎の気合はどうするのか、聞かないうちに天国に召されてしまった。
十二代目團十郎丈を海老蔵時代から撮影をし、その「氣」の言葉の奥深さと、團十郎丈の素晴らしい人柄にひかれ、35年もの長い間カメラを通して團十郎丈の人生歌舞伎を写してきました。
歌舞伎には、ことさらに目立つ演技で「見得を切る」場面が有ります。写真でいうと決まりカットで、必ず写真になる場面です。しかし、私は撮影を始めてから数年経って「見得を切る」(みえをきる)ではなく「見得を氣入る」と感じて来ました。「見得」とは仏教用語で「自分で悟りを開ける人」を意味し、「氣」とは「万物を構成する根源となる力=理」を意味します。役者がその役の真理を悟り、その力を魂に入れ込む姿が「見得を氣入る」と理解し、その魂の動きを写真に写すように心がけました。
團十郎丈と同時に、世界のノーベル平和賞受賞者マザー・テレサ、ネルソン・マンデラ、ダライ・ラマなど多くを撮影して来ましたが、その方々の人生で一番苦労の最中の「氣」を写真に写すようにしてきました。
十二代目團十郎丈の撮影もノーベル和賞受賞者の方々に劣らぬ、苦労の最中の撮影でした。 ― 薄井大還

マザー・テレサやネルソン・マンデラ、アウンサンスーチー、ゴルバチョフ元大統領など、ノーベル平和賞受賞者や世界の要人を撮り続けている薄井大還氏。今回は、薄井氏が撮影した十二代目市川團十郎の作品を展示します。薄井氏は 1980 年代から晩年まで團十郎を撮影しており、今回は歌舞伎十八番「景清」を演じたときの貴重な写真や、息子・海老蔵との親子二代の写真など、貴重な作品を約 15 点展示します。