鈴木竣也写真展「NEIGHBORS.」

鈴木竣也写真展「NEIGHBORS.」
鈴木 竣也
2021/03/11 ~ 2021/03/18
ギャラリー ヨクト

今回の展示作品は、在留ベトナム人コミュニティを取材撮影してから制作した作品である。父親の工場で働いていたザンさんとニャットさんを撮影したところから始まり、気がついたら3年経っていた。撮影を繰り返す中で、様々な境遇のベトナム人と出会った。技能実習生やエンジニアでも生活環境は変わる。さらには、コロナ禍で仕事や家を失ったベトナム人の生活も撮影をしてきた。

在留外国人、その数は2020年6月現在で288万人を超えている。様々な国籍の人がいるなかで、現在最も注目されている国の一つが「ベトナム」だ。5年前に約14万人ほどだったのに対して、現在は42万人以上のベトナム人が日本に住んでいるなど、他の国に比べてその増加率が大きい。その大きな要因の一つとなっているのが、「外国人技能実習制度」の浸透だろう。この制度は、東南アジアをはじめとした発展途上地域などからやってくる実習生に、日本の産業技術や知識を教え、自国の発展を担える存在を育成することを目的としているものである。2018年時点でそれを利用して日本に来ている外国人の実に約半数にあたる19万6千人がベトナム人なのだ。

静岡県富士市の出身の私は、父親の勤めている工場にも毎年数人ベトナム人研修生が働きにきていたことを知っていたが、話を聞いていると、地域の多くの工場でベトナム人技能実習生やエンジニアを雇っていることがわかってきたのだ。市内でも大きくなっていく在留ベトナム人コミュニティへの取材で、言語の壁や、文化の違いに多くのベトナム人が苦しい思いをしてきたことを知った。同時に、彼らの存在は多くの会社で欠かせない存在となっており、彼らの姿はもう社会の一部であるのだということを体感した。

日本という彼らにとっては異国の地で生活をしているベトナム人の姿の記録を続けてきた。そして、2020年にはコロナウイルスの影響によって苦しんでいる多くの在留ベトナム人も見てきた。それは様々なメディアで報道され、「技能実習制度」という言葉がより広い層に認知されることに一役買ったのかもしれない。しかし、苦しんでいる外国人労働者が意外と身近にいることを意識できている人は少ないのではないだろうか。自分のことだけで精一杯になってしまう日本の現代社会。しかし、少し目線を上げてみると「技能実習生問題」は、私たちの社会で今、起こっていることなのだということに気づけた気がする。

 


 

鈴木竣也写真展「NEIGHBORS.」
会期:2021年3月11日(木)から18日(木)
   13:00~19:00(最終日のみ17:00まで)
   会期中休みなし
会場:ギャラリーヨクト(写真展情報 掲載ページ