鴫原薫 個展「今日も生きているということ。」

鴫原薫 個展「今日も生きているということ。」
鴫原 薫
2022/03/05 ~ 2022/03/14
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ステートメント
母は10年前に口癖が増えた。
『生きてればそれでいいから。』
私に言い聞かせるようなその言葉が時より会話の中に響く。
3.11から10年の月日が流れた。
止まることのない激烈な揺れ、
テレビの画面に映し出される黒い海、
身近に迫りくる核の脅威。
ぼんやりと毎日を過ごしていた中学二年生の私は、あの日初めて生きていることを意識した。

私は当事者として、震災がもたらした10年間という時間と人生の分岐を撮ることにした。
震災から1年が過ぎた頃から海を眺めることが日常の一部となっていた。
海は恐怖の対象ではなく、心の拠り所であった。
目の前に広がる真っ直ぐな水平線を見つめながらよく考えることがある。
震災が、原発事故がなければどのような人生を歩んでいただろうと。
私たちの未来には自分自身で選択する人生の分岐と、自然災害など自分の力ではどうすることもできない分岐がある。
震災があったことで私の人生は大きく変わった。
だがそれを後悔したことは一度もない。
10年間生きることと向き合ったからこそ、後悔しない選択に自分自身を導き、今の私がいる。
生きていればそれでいい。
何げないこの言葉はお守りのように寄り添い、そっと背中を押してくれた。

私は今日も海を眺めている。
今日も、生きているということを噛みしめながら。

 

作家コメント
2年ぶりとなる本個展では東日本大震災がもたらした10年間という時間と人生の分岐を軸とした作品を発表します。
本展に合わせ逗子海岸で撮りおろした作品を含め約20点が一堂に会します。
会期中に震災から11年を迎えます。大変な世の中ではありますが災害や生き方など見つめ直すきっかけとなれば幸いです。
震災があったことで私の人生は大きく変わりましたが、そのことを後悔したことは一度もありません。
10年間生きることと向き合ったからこそ、後悔しない選択に自分自身を導き、今の私がいると思っています。

 


 
▼開催情報
鴫原薫 個展「今日も生きているということ。」
会期:2022.03.05.sat ~ 03.14.mon
   会期中無休 11:00-18:00
会場:zushi art gallery(https://zushi-art.at.webry.info/
   249-0006 神奈川県逗子市逗子5-11-31
   090-1652-9046
   JR逗子駅より徒歩11分/京急逗子・葉山駅より徒歩2分