立木義浩 写真展『Ko・So・A・Do』「過去はひとつの異國である」ハートレー

立木義浩 写真展『Ko・So・A・Do』「過去はひとつの異國である」ハートレー
立木 義浩
2022/08/17 ~ 2022/09/03
Kiyoyuki Kuwabara Accounting Gallery

東京・馬喰町のアートギャラリーKKAG(Kiyoyuki Kuwabara Accounting Gallery)では、2022年8月17日(水)から9月3日(土)まで、立木義浩写真展『Ko・So・A・Do』「過去はひとつの異國である」ハートレーを開催します。

 
戦後まもなく、洋画専門映画館が家の近所にできた。東京に出るまでの間、スクリーンを前にした暗闇で、主人公の住む街に滞在しているかのようだった。みずみずしかったころの高校生は『波止場』が大のお気に入りだった。エリア・カザン監督、マーロン・ブランド主演。マフィアのボスに立ち向かう元ボクサーの青年が、そこにいた。
写真の仕事をはじめて最初に香港に行って以来、世の経済がまわるにあわせて渡航回数も増え、シャッターボタンを押す人差し指が忙しくなった。
だが、コロナ以来……海外へ出ることはなくなった。最後の旅は2019年11月にパリに行ったきりである。未知のものへの憧れと言えば耳障りがいいが、レッテルも貼れず、ラベルづけもできない「なにか」に出会いたいという下心が、日増しに大きくなっている。
はじめての場所ならともかく、二度三度となると、恐しく通俗的な目と、その通俗さを自己嫌悪する目のふたつがあって、その対立が緊張感に繋がる。そうやって、外国で撮った写真の感傷から逃れられているのかも知れない。
大切なものは目に見えない、と、『星の王子さま』でサン・テクジュペリは言い切っている。偶然を信頼できるのは「自らの限界を打ち破る」効用があるからだ。
今回の写真を並べてみると予定調和を取りのぞいた写真の魅力があると勝手にうぬぼれている。展示プリントは、デジタルネガをつくり密着銀塩プリントしたものと、スキャンデータからデジタル・プリントした2種類を、ご覧いただく。

― 立木 義浩

 

日本を代表する写真家の一人として広告・雑誌・出版など幅広い分野で活躍し、女性写真の分野を中心に数多く著名人を撮影してきた立木義浩氏。ポートレート写真と並行して、立木氏はこれまで世界中でスナップ写真を撮り続け、いまも多くの作品を世に送り出している。本展では、立木氏が近年世界各地で撮影した珠玉のスナップ写真約20点を展示する。
なお、本展は、Jam Photo Gallery(東京・目黒区)主催の立木義浩写真展『Ko・So・A・Do』「一瞥の足跡」と共同企画で開催する。

 


 

立木義浩 写真展『Ko・So・A・Do』「過去はひとつの異國である」ハートレー
会期:2022年8月17日(水)〜9月3日(土)
   15:00–21:00(最終日は18:00閉館)
   ※日、月、火は休廊
会場:KKAG(Kiyoyuki Kuwabara Accounting Gallery)

 
【共同開催】
立木義浩写真展『Ko・So・A・Do』「一瞥の足跡」
会場:Jam Photo Gallery(東京・目黒区)
会期:2022年8月16日(火)- 8月28日(日)
   12:00 – 19:00(日曜 17:00 まで)
   月曜休廊