寺山雅広 写真展 Have a good time / Have a nice day series vol.V 「Afternoon 午後の光の中で・・・」

寺山 雅広
2023/02/02 ~ 2023/02/08
アイデムフォトギャラリー「シリウス」
2016年5月と12月に世田谷美術館において同名のシリーズ個展「Ⅰ」「Ⅱ」を、また、2017年10月に同名の写真展「Ⅲ」をオリンパスギャラリー東京にて、2018年10月に「IV」をアイデムフォトギラリー「シリウス」にて開催させて頂きました。今回は、「Have a good time / Have a nice day」シリーズの第5回として「 Afternoon 午後の光の中で・・・」のサブタイトルを付けてセレクトした作品群で構成をいたし展示いたします。
プライバシーの保護という観点から人物を撮影したスナップ写真が撮りにくい時代となってしまいました。写真表現として人物をスナップする手法は写真史の中で連綿と受け継がれてきたものであり、内外の著名な写真家により幾多の名作が残され、それらは時代を越えて現在においても見るものの心をゆさぶり続けています。そうしたスナップ写真は、人々の生活や生きざまの一コマを通しての自分が生きてきた時間や社会、また世相の記録であり、作者の社会観・人間観の表現であると思っています。スナップ写真という写真文化が今日「肖像権」という制約の中で廃れていってしまうことが残念でならず、プライバシーに配慮しつつも許される範囲の中で可能な限り撮り続けていきたいと思っている一人です。
せわしなく追い立てられるように時が過ぎていく現代社会の中でも、一人ひとりはそれぞれの豊かなひととき、幸せな一日を模索しながら日々生活をしています。そんな人々の生活の断片を東京を中心とした都市風景の中に探し記録してきました。都市空間の光景や情景はそこに人の存在や人間の生活があってこそひときわ豊かな輝きを見せるものだと思っています。そうした人々の姿や都市風景のⅠコマの中にひと時の幸せな時間を見いだすことは、撮影する私にとっても心地良い一瞬であり、素敵な出会いに感謝しつつ心が和み豊かになれるひと時でもあります。
光は時間の経過とともにその表情を変えていきます。午前中の輝くような眩しい光は新鮮で人間の活動意欲を高めてくれる一方、午後のまったりとした柔らかく暖色系の暖かな光はどこか居心地の良さや安心感・幸福感を与えてくれます。午後の光もまた時間と共に緩やかに変化し、やがて夜の世界へと繋がっていきます。都市生活は人工光に満ち溢れていますが、それでも太陽の光の変化は人の情緒や心理、行動に大きな影響を与えていることは疑いようのないことです。午後の光はひとときの幸せ感を演出してくれる光でもあります。
残念ながらここ数年にわたってコロナ禍が続き、また戦争で命が脅かされている国もあり、けっして世界中の人々が幸せであるとは言い難い今日ではありますが、それでも人々が日々幸せなひと時を希求し毎日を生活していることも確かなことです。今回の作品群はコロナ禍が始まる直前の2018~20年を中心に撮影したもので、マスクの無い素顔の日常はある種の懐かしさすら感じます。一刻も早くこうしたコロナ禍前の穏やかな日常を取り戻すことができる日が来ることを切に願っています。
(展示枚数:モノクロ約50点)
寺山雅広 写真展
Have a good time / Have a nice day series vol.V 「Afternoon 午後の光の中で・・・」
会期:2023年2月2日(木)~2月8日(水)
会場:アイデムフォトギャラリー「シリウス」
関連イベントが開催されます。
詳細は、公式サイトの掲載ページをご覧ください。
【ご来館の皆さまへのご協力のお願い】
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・手指消毒液を設置しておりますので、ご入館時は手指の消毒をお願いいたします。
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・混雑時は入館を制限させていただくことがございますのでご了承ください。
(出展者を含め25名を限度とさせていただきます。)