Masa ASANO「青い空と白い闇 〜津鉄の雪は横殴り〜」

Masa ASANO
2023/03/15 ~ 2023/03/19
NADAR
【はじめに】
東京で生まれて 幼少期を新潟で過ごした私は
雪は静かにしんしんと降り積もるものだと思っていました
「地吹雪が見たい」とこの地を訪れた私を 人見知りな津軽の冬は
初めこそ よそゆきの青空で迎えるのですが…
雪をそれなりに知っているつもりの私にとっても
高く降り積むこともなく 目の前にあるものの全てを
今のいままで高く広がっていた 澄んだ青い空までも
一瞬で白い闇に覆い隠してしまう津軽の地吹雪は
ただ衝撃でした
この地に通い続けて5年 私は知ることになるのです
長く厳しいこの冬の試練こそが
草木が一気に花開く津軽の春 そして駆け抜ける夏秋の
その力強さの源だということを
そんな青い空と白い闇の狭間で 横殴りの雪の中を
逞しく 頼もしく 津鉄は黙々と走り続けるのです
【本展について】
ふとしたきっかけで冬の津軽平野にストーブ列車を訪ねて足を運んで以来、地吹雪を求め、足掛け5年にわたり冬の津軽鉄道沿線に足を運び続けた作者。タイトル『青い空と白い闇 』は、そこで目の当たりにした、晴天と地吹雪のせめぎ合う様を表している。
2022年3月、「ナダール東京」の企画展である「めざせ個展」にて本作を発表。グランプリこそ逃したものの多くの反響を得て、また現地からのオファーもあり、同年4月〜5月に五所川原市の「赤い屋根の喫茶店・駅舎」(芦野公園駅旧駅舎)にて写真展を開催。東北有数の桜の名所として名高い芦野公園を訪れる観光客に、津軽の厳しい冬の姿を臨場感たっぷりに伝えて共感を得た。
現地・津軽が再び厳しい冬を迎えるにあたって、その魅力をさらに広く伝えるため、2022年12月に「ナダール京都・大山崎」にて同作を展示。本展は、その東京帰還展である。
Masa ASANO「青い空と白い闇 〜津鉄の雪は横殴り〜」
会 期:2023年3月15日(水)~3月19日(日)
12:00 – 19:00(最終日は16:00まで)
月曜・火曜休廊
会 場:Nadar 東京/南青山
詳細は、公式サイトの掲載ページをご覧ください。