昆虫写真家になって50年以上、つい10年ほど前までは昆虫のアップは全てマクロレンズで撮影していた。ズームレンズの性能が上がり、超望遠ズームで撮ることが多くなっていたが、昨年は心機一転して、マクロレンズだけで撮ろうと決意した。折しも、夏から90mmマクロの試作品を使うことができ、やはり昆虫はマクロだなと再認識した。ズームだと、遠くから、たくさんシャッターを押してしまう。虫との距離も離れているので、撮りやすいが、安易になる。
マクロレンズは、焦点距離が決まっているので、自分が動いて、虫に近づかねばならない。レンズ前、数センチまで迫って撮るので、虫たちのつぶやきが聞こえてくるようだ。虫と気持ちを通じ合わせることで、緊張感も生まれる。昆虫写真の醍醐味は実はそこにある。
今回は90mmマクロレンズの作品を中心に、60mmマクロでの作品も取り混ぜて、約50点の作品を展示する。全て2022年の撮影だ。海野和男の昆虫世界を堪能して頂ければと思う。

海野 和男 写真展「マクロレンズで撮る昆虫世界」
会　　期：2023年4月13日（木） ～ 4月24日（月）
　　　　　10:00 〜 18:00（最終日15:00まで）
会　　場：OM SYSTEM GALLERY（旧 オリンパスギャラリー東京）
休 館 日：4月18日（火）、19日（水）
入場無料

※「作品解説」が開催されます。
詳細は、公式サイトの掲載ページをご覧ください。