本作品は、東京を西から東へ横断し、東京の都市風景を撮影したシリーズです。撮影場所は、西の高尾山から始まり、東の東京湾の葛西臨海公園までです。
　昔の神話の時代から、ものに名前を付けることは世界を認識することへの始まりであると言わます。「地名」という言葉には、文字の意味を超えた魔力があります。それは一つの物事ではなく、すべて物事が存在する「場所」 の集合を指します。記録された地名も、この場所の全て記憶を載せています。
　私は、東京の様々な地名をヒントとして、カメラで日常的な東京を記録しました。写真は現実を記録する手段として、時間と空間を止まるだけでなく、その背後に流れる記憶や感情を剥き出しにします。したがって、私は地点（地名）から線（西から東へ）そして面（東京全域）へと観察の方法を通じて、これらの風景の背後に隠された物語や記憶を探そうとしています。

■ 開催情報
杜 立山（トリツサン）「東京横断」
会期：7月31日（月）〜8月6日（日）
会場：Place M（公式サイトの掲載ページはこちら）