育緒 写真展「side ABC」

育緒 写真展「side ABC」
育緒
2019/08/27 ~ 2019/09/08
ソラリス大阪

育緒氏は京都に生まれ、東京、メキシコシティ、ハリウッド、サンフランシスコなどに暮らし、現在は東京と京都を行き来しながら活動している写真家です。独学で写真を始めた育緒氏は、2000年にはカメラ修理の名人として知られる直井浩明氏のもとで機械式カメラの修理技術を学び、クラシック・カメラの修理職人としても活動されています。

2003年から2年間にわたって滞在した米国ハリウッドでの、自由や快楽におぼれていく人々、まちの様子をとらえた作品「甘い地獄」で、2007年の土門拳文化賞を受賞。「文明や物質社会への鋭い批評精神をもった作品で、表現者としての鋭い視点や思想性が光る秀作」と評されました。

2012年には写真集『酔いどれ吟遊詩人』(窓社)を発表し、2017年には舞踏家・今貂子氏の45分間の舞台『秘色(ひそく)』を息遣いが伝わる至近の間合いの中、動く被写体を写すにはギリギリの明るさで撮影した緊張感みなぎる作品を発表してまいりました。いずれもモノクロフィルムで捉え、自身の手で印画紙(バライタ紙)に焼き付けた作品であり、その方法こそが育緒氏にとっての写真表現の柱であったと伺い知ることができます。

昨年2018年、育緒氏はピクトリコギャラリーにて写真展『プラトンの洞窟』を開催。その際これまでのフィルムでの撮影ではなく、3層構造のセンサーを持つ株式会社シグマのデジタルカメラを使用するとともに、インクジェットでの作品発表を行いました。そこには自身のスタイルを越えて、「デジタルカメラでしかできないことは何か」さらに言えば「写真とは何か」を追求していこうとする姿を見ることができます。

今年で写真を始めて30年目となる育緒氏。今展覧会では、現在の自分にとって「写真とは何か」を、いくつもの異なるアプローチで展開する多層多面の個展となります。30年の集大成となる育緒氏の企画展を是非ともご高覧ください。

 

ギャラリーソラリス 橋本大和