大西みつぐ 写真展「NEWCOAST 2 なぎさの日々」

大西みつぐ 写真展「NEWCOAST 2 なぎさの日々」
大西 みつぐ
2019/10/01 ~ 2019/10/19
コミュニケーションギャラリー ふげん社

大西みつぐは 1952年東京深川出身の写真家です。1974年に東京綜合写真専門学校を卒業し、同校にて専任講師を務めながら写真家としてのキャリアをスタートしました。デビュー作「WONDER LAND 1980-1989」から現在に至るまで、一貫して、生まれ育った東京の下町と湾岸エリア、そしてそこに集う人間の所作を眺め、観察し、作品を制作しつづけています。

本展では、「NEWCOAST」シリーズの新作と位置づけられる、2015年〜2019年に東京湾岸で撮影された「なぎさの日々」から約25点を展示販売いたします。

「NEWCOAST」シリーズは、1980年代後半に、大西が住居を砂町から現在の東京湾岸(江戸川区臨海町)へと移したころ、バブルの熱に浮かされた人々が戸惑いながらも居場所を求め、東京湾岸に集うようすを、中判カラーで捉えた作品です。

現在の臨海部は、来年開催される東京オリンピックの影響もあり、インバウンドによって外国人が葛西臨海公園や人口なぎさに多く訪れ、どことなく明るさを取り戻したかのように見えます。これまでは被写体と距離感を保ち「眺める」ことに徹していた大西は、本作「なぎさの日々」では、「人々に直接すり寄り、拙い会話を試み」ています。なぎさに集う人々と交わることで、作家の目に映る海岸の風景は仄かな変化をもたらしました。

「川(荒川)と海(東京湾)を行ったり来たりしながら写真家として生きてきた」大西が、東京湾岸の波打ち際を舞台に人の営みとその時代をとらえた最新作を、ご高覧下さい。

 

■作家ステートメント

私は川(荒川)と海(東京湾)を行ったり来たりしながら写真家として生きてきたような気がする。「流れ」は常に逆行することもわかっている。どこかに還りたいがためにそうするのではなく、血流のようなほとばしりとはまた別の生きている回路をそこに見つけたいからかもしれない。

2016年に「川の流れる町で」を発表した後、再び「臨海」に立ち会ってみようと思った。あのバブル期の東京臨海部の妙に浮き足立った賑わいはただの幻だったのだといい切るつもりもないが、すでにこの「令和」という複雑な時代のはじめには、生温かい記憶でしかない。

いったい風景の何が変わったのか?あるいはまた繰り返しの季節を迎えているのか?東日本大震災の直後に「線量計」を握り臨海公園や人口なぎさを計測した頃の、なんともいえない不安感は一掃されたわけではない。しかし、東京オリンピックという号令が鳴り響いた途端に、再び明るい、いや明るそうな臨海部が目覚めたようだ。東京イーストベイ構想とも深く関係するだろう施設や出来事も増えた。かつてのバブリーな休日に所在なげに集まり来た人々とはまた違う、時代の申し子としての家族や恋人たち、そしてインバウンドの外国人たちが人口なぎさに集いはじめている。その人くさい風景は以前にも増して面白い。これまで無愛想に撮ってきた私だが、昨今はそうした人々に直接すり寄り、拙い会話を試みながら、この東京の波打ち際で慰留させる人間の営みとその時代を勝手に想像している。

大西みつぐ

 

■関連イベント
10月5日(土)16:00 ~ 17:00
太陽賞受賞作「河口の町」(1985 年)ヴィンテージプリント鑑賞会

荒川河口を取材した中判カラー作品「河口の町」は、1985年に太陽賞(平凡社)受賞をしました。「NEWCOAST2 なぎさの日々」のルーツといえる本作の、80年代に制作された貴重なヴィンテージオリジナルプリントをご覧いただきます。また、プライベートビデオ作品もあわせてご鑑賞いただきながら、作家を囲み、お集まりいただいた皆さんとお話をしたいと思います。

参加費:1,500 円

同日17:00 ~ 18:30 レセプションパーティ

※ご予約は電話とメールで承っております。
TEL:03-6264-3665 Mail:event@fugensha.jp