写真展

早川知芳写真展「静かの海 Mare Tranquillitatis」

早川 知芳

2018.05.11(fri) ~ 05.22(tue)

荒涼とした磯に立ち海に対峙する釣り人のドキュメントです。釣り人の追っている魚は、ヒラスズキ。季節は冬、穏やかな海には姿を現さないヒラスズキが、釣り人が手の届く磯際に姿を現すのは、人を拒絶するような荒れた海。その時を待っていた釣り人は、波風が逆巻く磯際に立ち海に対峙し、ヒラスズキを狙う。その環境は苛酷で、海に引きずり込まれたり断崖から落ちて命を落とす事もある・・・私自身ヒラスズキを追う釣り人として磯際を歩き続けいる中で、容赦なく叩きつける波風に翻弄 され身体を磯に叩き付けられたり波に飲み込まれて海の底に引きずり込まれかけたりと幾度か命を落としそうになりながら、何故ここまでしてヒラスズキを追うのか?という自問が湧き上がりました。その自問を認識した時から、磯際の風景がそれまでのものと全く違って見えるようになりました。
何故釣り人はそこまでしてヒラスズキを追うのか?ただヒラスズキを釣るためだけではない、釣り人が海に対峙する本当の理由は何なのか?それを 探るために、釣竿をカメラに持ち替えて、冬の紀伊半島の荒涼な原始が剥き出しの磯でヒラスズキを追う釣り人を撮影し始めました。撮影を始めて12年、問いに対して未だ海は沈黙したままで、ただ釣り人の眼前に広がるのは「静かの海」そのものです。
Mare Tranquillitatis(ラテン語 静かの海)

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