写真展

Soldier

姜 在求

2018.06.19(tue) ~ 07.01(sun)

オープニングレセプション
2018年6月19日 18時より


兵士証明
#3, 2009 6週間の訓練を終え訓練所から退所する時だった。証明写真を撮るため200~300人を超 える訓練兵たちがグラウンドに長蛇の列を作って一列に並んでいた。しばらくして私の番 になるとカメラを持った兵士が大声で「背中を真っ直ぐ!、顔を上げて!」と言った。その兵士は私に準備する時間などは微塵も与えず、シャッターを切って「次!」と怒鳴った。 何も準備ができなかった私はあの短い時間、あまりにも緊張したせいで精神が混迷していた。 その後、訓練兵期間を終了した私は写真兵として配属された。兵士たちは軍服務の期間 中に3~4回証明写真を撮ることになる。幕舎に二等兵が入ると先任の古参は父親のような面持ちで二等兵を写真科に連れてくる。また除隊を前にした兵長たちは転役証に使う写真を撮るために仲の良い同期、もしくは後任兵たちと一緒に来ることもある。 軍隊の写真科では一カットに2~3人が一緒に写るように撮影をする。フィルムと印画紙を節約するためだ。私は写真が出来上がると証明写真のサイズに切り抜いた後の残りの写真を捨てずに集めておいた。私自身も同様に、除隊までの間に何度か兵士証明用の写真を撮られたが、一緒に写った戦友の顔は切り抜かれ彼らの顔はもう覚えていない。名前だけの兵士証明が残った。


韓国の徴兵制度について十余年を掛けて写真で探索している
兵役義務制が実施されてる韓国において軍隊に入隊することはほとんどの男性が経験する通過儀礼である。しかし一個人として経験する入隊は、多くの人間にとって一種のトラウマを脳裏に刻み込まれる。愛する家族、友人、恋人と離され、辛い肉体的訓練を受け、今まで過ごして来た環境とはまったく異なる環境下におかれる軍隊文化は韓国人の青年(若い男性)たちが義務的に負わされる一生一代の経験である。


入隊前夜
#5, 2017 今まで軍人ー韓国の若い男性について「二等兵(2002年)」、「予備役(2004年)」、 「兵士証明(2009年)」、「12mm(2011年)」というシリーズの写真作品を制作してきた。今回発表する新しい5番目のシリーズは、入隊を前にして髪を剃った青年のヌード写真である。
入隊の前夜、長かった髪を12mmの長さに剃り上げ、スタジオの中で照明にあたりながら 裸でレンズに向き合う青年の姿には、彼が今まで過ごしてきた時間や属していた環境、これから迫ってくるであろう未来への不安が一瞬にして滲み出て写真の表面に現れてくる。
そうやって出来上がった写真を通して発見したのは、彼らの軍人としての強さではなく、まだ弱く幼い少年の姿である。
軍隊において兵士は人格を排除した普及品である。しかしそれ以前に彼らは20余年の個人の歴史を持つ人間であり、かつ尊重されるべき人格体だ。我々は彼らを軍服を着ている軍人というフレームの中に当てはめて見てはならない。外見として見える姿に関係なく彼らを人間として認知し、待遇すべきではないのか。彼らは軍人である。同時に国から保護されるべき市民でもある。
私はこの青年たちをヌードで表現することによって、軍服を着て帽子をかぶったステレオタイプの軍人姿ではない、ありのままの韓国の青年像として向き合おうとした。

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