写真展

Anchin

清水 哲朗

2017.12.08(fri) ~ 12.14(thu)

モンゴル最北部フブスグル県ツァガーンノール郡の奥地には「タイガ」と呼ばれる針葉樹林帯が広がっている(ロシア国境が近いため国境警備隊の許可証がなければ行くことはできない)。厳冬期には氷点下40℃を下回る日も少なくないが、ヒグマやオオカミ、オオヤマネコ、ヘラジカ、クズリ、カワウソ、クロテンといった動物や巨大魚イトウも生息する自然豊かな場所である。馬に乗り、いくつもの川や湿地帯、ガレ場を抜けるとオルツ(円錐形の住居)に暮らすトナカイ遊牧民の集落がある。彼らはモンゴル語を母語としているが、ロシア連邦トゥバ共和国の人々と同じトゥバ民族でモンゴル民族ではない。モンゴルのトゥバ民族は社会主義崩壊まで人類学的調査がほとんど行なわれなかったこともあり、DNA調査やシャーマニズム研究者、独特の暮らしをひと目見ようとする人々が世界中から訪れている。彼らは国からの生活保護を受けているが、2009年から2010年にかけてNINJA(許可なしで金を掘る労働者)が集まった金鉱山バブルや夏場の観光業の恩恵を受け、暮らしは年々豊かになっている。ここ数年はトナカイの角を細工して新たな収入も得るようにもなった。しかし、長らく狩猟で生活してきた民族。法律的に狩猟が禁止されている現在でも随所にその片鱗が見られる。本作は2009年、2012年、2016年~2017年にかけての計6回、タイガの魅力とその周辺に暮らす人々の変わり行く生活を取材したドキュメンタリーである。
※Anchin・・・アンチン。モンゴル語で「狩人」

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