その場にあるものをそのままに撮影するのではなく、「和紙」・「花」・「リボン」を用いて、「自然が作り上げた造形と人工物の融合」をテーマに、自然界の被写体(植物等)の表情や造作が、感情に訴えてきた印象をもとに、人工物の被写体(リボン・和紙)等の二者を組み合わせることによって、創作度の高い写真作品を撮影。また、プリント(デジタル・アーカイバル・プリント)に、金箔・金粉を特殊方法によって吸着して仕上げることで、一点もののオリジナル作品としている。
また、印画紙プリントのみではなく、近年確立してきた、ダイレクト昇華プリント技法を用いて、印画紙ではできなかった大きさのオーガンジー生地への出力プリントによる、空間アートでコンセプトにある創造した世界を表現する。写真技法がベースではあるが新たな表現方法の可能性があることを示していきたい。
KAO’RU Exhibition Vol.15 2019年個展 について
*イタリアの名門、Mosetti家が何代にも渡って蒐集した数々の美術品、骨董品。
その中でも特に秘蔵とされる、書物 「マルキニ回想録」。
今回はその回想録にある「植物標本画」からインスピレーションを受け制作した。
*マルキニ回想録
8世紀の著述家:アルベルト・マルキニ(Alberto Marchini)によって書かれた旅行記。
*ボフィーカ 「Boficca(bəfikə)」
マルキニ回想録の中に、ボフィーカ 「Boficca(bəfikə)」 という場所を訪れたという記述が残る。 回想記には、ボフィーカの植物・生活する人々の様子が多く書かれており登場する生き物と自然が調和して暮らす理想の国とされている。ただ、私達の住む世界とは様々な点で違いが見出され、ボフィーカは彼の夢の中に存在した世界なのか異世界へ空間を移動したのか、何処にあってどうやって行けたのか、今もまったく分かっていない。
今も各地にボフィーカの事を指すのではと想像ができる伝説や神話を見聞きすることができるが、その存在は未だ解明されていない.
会場:アートスペースキムラ ASK?(2F)
会期:2019年12月16日(月)〜22日(日)