杉本 恭子 写真展「阿智村 ~やさしい風の吹く里へ~ PART1」

レポート / 2017年8月29日

15年にわたり地域おこしに取り組む女性写真家が写す、やさしい風の吹く桃源郷!

冬景色の阿智村を写した作品をバックに。

日本一の星空として近年話題の長野県阿智村。南アルプスを一望するこの村には、星空以外にもさまざまな魅力があります。全国でも類を見ない大きな大きな柿の木、美肌の湯として評判の「昼神(ひるがみ)温泉郷」、源義経が馬をつないだという伝説の一本桜「駒つなぎの桜」、そしてこの村で暮らす人々の笑顔…。

駒つなぎの桜を撮影したことがきっかけで、村長から依頼を受けて村の地域おこしプロジェクトに関わるようになったという風景写真家の杉本恭子さん。15年前から阿智村での撮影会を開催。通うだけでなく地域の一員になるためにと2年前の2015年には村の古民家を購入し、ギャラリーや写真教室、喫茶など、訪れた人々と地元の人々が交流できるスペースへと改築オープンしました。人と人とがつながり、村の美しい四季を共有する空間が生まれています。

「阿智村は素朴な場所です。人々はとても誠実で、地域内のつながりを大切にしています。私や生徒さんたちが訪れると、本当に温かく迎えてくれるのです。とても良い村。だからこそ私にできることはしたいと考えています。阿智村には壊してはいけない美しい自然があります。それを地元の人々が理解し、遺していこうという意識をもっていただくことが一番です」

杉本さんは村の住人一人ひとりとコミュニケーションをとる機会を何度も設け、外部から見た阿智村の魅力を力説し、その魅力を生かす方法を住民と共に考えています。
阿智村の人々にとって見慣れた風景が、未来に遺すべき村の財産であること。日本の原風景を次世代に伝えていく大切さ。他にもさまざまな文化財があることなど。
今では住民側から困っていることや地域おこしのアイデア・希望などの話が出るようになってきたのだと、杉本さんはうれしそうに教えてくれました。

「写真は日本の原風景を次世代に伝えていくために大切です。例えば国指定のミズナラの巨樹は数年前に落雷で一部が折れてしまったため、現在は過去の写真でしか元の姿を見ることはできません。そうした地域の景色を記憶し伝えていきたいと思います。写真をご覧になった方に『良いところだね』『行ってみたいな』と思ってもらえるのが一番うれしいですね」

杉本さんが15年温めてきたという長野県阿智村の四季を写した作品の中から厳選した24点が並ぶ写真展、ぜひ会場へ足を運び、杉本さんが写すやさしい里山風景に癒されてはいかがでしょうか。

画面左に展示しているのは立派な柿の大木。
農村に暮らす人々の姿を見守っているようです!

【杉本 恭子 写真展「阿智村 ~やさしい風の吹く里へ~ PART1」】
会期:2017年8月25日(金)~8月31日(木)
10:30~18:30(最終日は14:00まで)
会場:富士フォトギャラリー銀座
http://www.prolab-create.jp/gallery/ginza/