~海と陸の境界を切り取った抽象的な世界~
谷田梗歌さんは、氷をテーマにした独自の世界を展開する写真作家です。10数年にわたり氷の写真を撮り続け、コントラストシリーズ、ICE Shadowシリーズといった代表作を生み出しています。また、もう一つの自身のテーマとして尾道とおり道シリーズを展開。今回の「境界」は、尾道シリーズのスピンオフであり、かつ新シリーズの起点ともなる作品展だと教えてくれました。
「かつて港町として栄えた尾道の小さな島の砂浜で撮影した作品です。海は外界への入り口であり、外界との接点でもあります。そうした性質を頭の片隅に置き、海と陸の境界、内と外の境界といったイメージを構成しました。この境界シリーズが今後どう展開するか想像しながら見ていただきたいです」
会場には大型プリント10点をメインに、手頃な中小サイズの作品も展示販売されています。「究極までに単純化することで別の景色が見える。それが抽象性につながります。ぜひ皆さんの考える〇〇と〇〇の境界を聞かせてほしいです」と谷田さん。静かに寄せる波が描く境界線はコントラストシリーズに通じるものがあり、海と陸の境界でありながら、空と山の境界や動と静の境界のようにも見える抽象性があります。
作品に表現される一貫した抽象性は、見る人によってさまざまな境界を連想させるのではないでしょうか。気になる方はぜひ会場へ足をお運びください。
【谷田 梗歌 写真展「境界」】
会期:2019年1月8日(火)~1月13日(日)
12:00~18:00(金曜日は18: 30まで、最終日は16:00まで)
会場:SAN-AI GALLERY +contemporary art
https://san-ai-gallery.com