~ 心象を表現したモノクロームの雪景色! ~
暗い室内に浮かび上がるように展示されている雪景色。色彩のないモノクロームの世界が深く重く心に訴えかけてきます。
学生時代にバイクで北海道を旅したのをきっかけに一眼レフを購入し、写真を撮るようになったという写真家の前田充晴さん。カラーフィルムで美しい雪景色を収めていたところから、次第に作家として心象風景を表現する現在の形へと変化したそうです。
会場には29点の作品が展示されています。明暗をはっきりとさせたモノクローム作品には、街灯を覆うように降る雪、線路を隠すように地吹雪が舞い上がる様、海を背景に乱れ飛ぶ雪など、生きるか死ぬかを迫る雪の厳しさや恐さが強烈に描写されています。
「心象風景を表現していますが、僕の気持ちを押し付けるつもりはなく、見てくれた方が作品と対話し参加できるものでありたいと考えています。旅は非日常な体験で、人生的な意味もあります。その終わらない旅を根底に、雪をかぶせることで、二度とない風景の積み重ねを表現しています。昔の何気ない思い出や仕事のことなど、気が抜いた時に頭に浮かぶものに思いを馳せながら、写真と対話していただければうれしいです」。
初の写真展で緊張していますと話す前田さん。「雪の旅」シリーズをはじめ、普遍的なものを表現したスナップ作品、風景や生物など、これからもさまざまな表現に挑戦していきたいとのこと。
ぜひ会場へ足を運び、作品に入り込んでみてはいかがでしょう。
【前田充晴 写真展「雪の旅 Snowy Journey」】
会期:2017年12月1日(金)~12月14日(木)
10:30~18:00(最終日は14:00まで)
会場:エプソンイメージングギャラリー エプサイト(日曜休館)