白井 厚 写真展「景・信州」

レポート / 2020年12月2日

~いつまでも変わらない姿でいて欲しいと願わずにはいられない「景・色」の数々~

日本各地の自然風景の撮影を行っている白井さん。
すぐそばに鹿がいたりなど、撮影時のエピソードなどもお聞きしました。

“信州” 長野県の旧国名。以前松本市が地元の友人から、出身地を言う際の長野と信州との違いについて、じっくりと聞かされたことがあり、 旧国名を頻繁に目にする(使う)のは日本でもここが随一ではと感じます。

同じこちらのギャラリーで6年前に展示された「叙景 description scene」は、全国各地を撮られたとのことですが、本展では(自分にとって)アクセスもしやすく、山も深くそれぞれの四季が明確に表れる土地である “信州” をテーマにされたとのこと。

いろいろな表情を見せる美しい風景をただ並べるだけでなく、目線や視点を変えることで、見る人が見やすいこと、見ていて気持ちがいいと思ってもらえることを意識しています。目線は、見る人のその時の心の強弱によっても左右されることなので、(展示の際は)そちらも気を配るようにしています。
同じところを撮っていても自分の進化によって、見え方も感じ方も変化していくので、“信州”というループから離れることができません。

風景写真は巷に溢れていて、見たことがあるという景色はたくさんあると思いますが、(行ってみて)一番いい景色を撮ったらそれで終わりではなく、自分の感じ方が変わるごとに(撮る)素晴らしさも毎回違ってきます。

ーこれで終わりというものがない世界ですね。

今のところないですね。写真展をしてしまうと、そこで区切りにしようと思う方もいらっしゃると思いますが、僕の場合は(今回の展示は)次につなげるための写真展という意味合いが強いです。

ー作品をセレクトされる際に意識されたり大切にされている点はございますか?

風景は人との絡みがあるようでなく、人・動物・植物に共通していることですが、食べ物はなくてもすぐに死ぬということはありませんが、水は絶対になくてはならないものです。(展示されている作品を手差しされて)その水のある景色が信州はすごく豊富なのです。

ー本当に自然豊かな土地柄ですね。

そうですね。この景色を見て少しでも行った気分になっていただけたり、今の状況(新型コロナ)が落ち着いたら、多くの方に足を運んでもらえると嬉しいですね。

信州を撮られた美しい作品が目に飛び込んでくるようで、山岳県でもある信州の四季折々の自然美に癒され心洗われます。信州の深い魅力と、自然が持つ鮮やかな彩りにあふれた日本らしい「景・色」の数々。ぜひ会場へ足をお運びください!

ステートメント

【白井 厚 写真展「景・信州」】
会場:リコーイメージングスクエア新宿 ギャラリーR(火曜/水曜定休)
会期:2020年11月26日(木)~12月14日(月)
10:30~18:30(最終日16:00まで)
http://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/community/squaretokyo/2020/11/20201126_2.html