Breath.

Breath.
高崎 勉
2011/05/13 ~ 2011/05/21
Exhibition Archives

毎日のように物騒な事件が新聞紙面を賑わす現代で、これから生きていく子供たちのことを思うと不安が大きい。でも悲観ばかりしていてもしょうがなく自分に何ができるか考えるしかない。生きていく事は辛いと思う時がくるかもしれないけど、寄り添っていく相手がいればきっと素晴らしいものになる。言葉にすると、ありふれたものになってしまうかもしれないが自分を支えてくれた方々への感謝と未来の子供たちへのメッセージを自分なりの方法で込めているのかもしれない。
二つのシルエット、それは「人生」と重なるから儚く美しい。ただ綺麗なだけの花の写真を飾るなら実際の花を生けた方が良い。 「絆」を意識してお互いの植物が絡み合い、美しいフォルムを醸し出す一瞬を刻むために写真を撮リ続けた。しかし、当初は漠然とスタートした部分は否めない。7年の制作期間には「死別」や「生誕」を目の当たりにし、生きることの「美しさ」、「歓び」、「脆(もろ)さ」、「苦痛」、「儚(はかな)さ」、などを凝縮して経験した。だから撮り始めた頃と7年後では同じ自分ではなかった。
この作品が見る人の鏡になってくれたら嬉しく思う。そして、側にいてくれる誰かの「呼吸」を感じながら生きることの歓びに気付いて、世界が少しづつ優しい方向へ歩き出すことと信じる。

高崎 勉