今年3月の初個展から、3回目の展示となる今展。積極的に作品を発表しつづけているなかしまさんにお話を伺ってきました。
ー今回のテーマを選ばれた理由について教えてください。
自然の豊かな場所で育ったこともあってもともと自然が好きでしたし、このテーマは数年前から考えていました。その時には作品に落とし込めきれなかったのですが、今年に入ってからつくれるようになりました。
ー今まであたためてきたものが表現されているのですね。
そうですね。自然という存在自体が偉大すぎて、どうはじめればいいのか難しかったですが、“水”にしようと決めてからはどんどんできていきました。
ー“水”は私たちにとって身近な自然であり、その循環するという特性上、捉えどころがないようで難しくも思われますが…。
写真を撮るということは撮る対象と対峙することでもあるのですが、 一方で“水”に私は内包されているような感覚があって、その感覚をどう表現すればいいのだろう、とずっと考えていました。みんなが美しさを感じる、そういう意味でも本当に大きな存在で、どう表現するのが正しいのか迷う中、今の自分が感じる自分なりの表現をまずしていこうと思い立ってから、迷いはふっきれて、集中することができました。
ー今後の予定などお聞きしていもいいでしょうか。
この“水”のシリーズは、わたしの行うプロジェクトの1つとして、しばらく続くと思います。今回は植物と一緒にある“水”ですが、すでに異なった側面をみせる水を表現した次作も撮っています。
作品を見るうちに、心が洗い流されたまた自分の中へ戻ってくる、そんな感覚ににとらわれました。それは、普段自分が内面を閉ざしてしまっているのだと気づかせてもくれます。人が自然の中で心をオープンにすることができるのは、(人が)自然の一部であるということを考えさせられ、その感覚を自分ももっと大切にしなければと感じました。なかしまさんの次回の展示もとても楽しみです。
【なかしま さや 写真展「Water Element」】
会場:MUSEE F
会期:2021年11月22日(月)~27(土)
http://www.omotesando-garo.com/museef/MF.html
なかしまさんのWebサイト
http://www.saya88.com