佐藤なーや 写真展 ”Oneness with Nature”

佐藤なーや 写真展 ”Oneness with Nature”
佐藤 なーや
2018/07/10 ~ 2018/07/16
京都写真美術館 ギャラリー・ジャパネスク

月明かりの木漏れ日に照らされたある夜、屋久島の深い森の中のトレイルを歩いていると、

普段は通り過ぎていたような名もない屋久杉に、ふと呼び止められたような気がした。

カメラを置いて株元に腰をかけ、森の奥に静かに聴こえる音を屋久杉と一緒に聴いて過ごした。

何千年も生きてきた屋久杉の木肌に触れると、心の奥深くに優しい何かが伝わってきた。

「森にお邪魔しています。素晴らしい出会い、時間をありがとうございます。」

自分自身も、ありったけの言葉と想いを手のひらを通して伝えた。

今ここに存在する自分は、たくさんの奇跡の連続で生かされている。

世代や時空を超えて紡がれてきた命の現在進行形である。

この星に存在する全ての命の尊さと、無償の愛。

屋久杉から伝えられたメッセージに、溢れてくるありったけの愛を手のひらを通して返すと、

木の中を巡り一周して、また自分の体へと返ってきた。

とても温かく、これまで経験したことがない安堵感と一体感で心が満たされ、涙した。

-Oneness with Nature-

一本の木との心が合わさったような神秘体験ともいえるこの夜の出来事は、屋久島の自然界から受け入れてもらえた初めての体験であった。

それ以来、自然界と自分との繋がりの認識が変わり、小さな砂粒から広大な空まで、全ての存在は関わりあっていて地球に生きる同じ命の仲間であることを実感するに至る。

日々の中にある感動とともに、自然の命のきらめきや尊さ、あるいは命そのものを感じる作品を撮影して、

新しいエコロジー感覚を伝えている。