清水泰人「QUIET MEMORIES」インタビュー

2019年9月26日

清水 泰人 写真展「QUIET MEMORIES」が京都写真美術館 ギャラリー・ジャパネスク1F「雪」で2019年9月17日(火)から9月29日(日)まで行われているのでレポートをお届けいたします。

清水泰人さん

Q.今回の展示タイトル「QUIET MEMORIES」の由来を教えてください

もともと展示のお話をいただいてから、じゃあどういう展示にしようかという後追いの部分があったので、一連のテーマで撮ってきた写真ではありません。京都という日本でも有数の観光地に観光客が来られた時に、何時までここに滞在して次は何時にバスに乗って、という慌ただしい中で見る京都が多いかなと思ったので、今回の展示では、せめて写真ではゆっくりと景色と対峙し静かに眺めていただけたらなという思いがあり、写真から静けさを感じられるものを集めました。

今私たちが見ることができる風景は、先に生きてきた人々の思いが込められ積み重なってきた眺めですのでそこに思いを馳せるという感じで見ていただけたらなと考え、今回の「QUIET MEMORIES」というタイトルにしました。

八坂神社

Q.見る人にどういう風に鑑賞してもらいたいですか?

京都に旅行に来た旅行者の目線で、まず京都駅から旅がスタートし、京都市内の有名な観光スポットを巡り、展示が進むに従って、郊外の風景が出てくるというような流れになっています。
積み重なってきた京都の歴史や景色を市内の有名寺社だけでなく、田舎の方にも感じてもらえたらなと思っています。

伊根の舟屋

Q.撮影でこだわった点はありますか?

構図にこだわって撮ったというよりも時間帯とか天候などにこだわりました。たとえば晴れの日よりむしろ雨の日とか曇りの日とか、ある程度京都の「普通」「静かな日常」みたいなものを意識しました。あえてよく見かけるような構図の写真を多めにしたのですが、日常の延長感を味わってもらえたら嬉しいです。

展示風景1

Q.清水さんが大事にしているスタイル、ポリシーはなんでしょうか?

写真を撮る上で大事にしているのは、自分の色に染めてやるというような上から目線より、風景をお借りするというか、相手のいいところを引き出したいなという感覚を意識しています。そういう意味で、ちょっと引いた距離感というのは写真に出ているかもしれません。
色目とか好きなトーンとかはあるのですが、過度に脚色をせずに、写真は相手や風景があっての自分という関係性なので、どっちが上か下ではなく、ある程度同じ距離感が望ましいのかなというポリシーでやっています。

展示風景2

清水泰人 webページはこちら

【清水泰人 写真展「QUIET MEMORIES」】
会期:2019/9/17(火)〜9/29(日)
会場:1階「雪」
時間:11:00~18:30 ※無休、入場無料
https://kyoto-muse.jp/exhibition/80816