京都写真美術館 ギャラリー・ジャパネスク 2階展示室にて、2024年10月1日(火)から10月13日(日)まで、杉浦正和 写真展「1993 NEW YORK」を開催します。

写真撮影の仕事で10年が経ち、日本では虚像の共有であったバブルが弾けた時だった。リアルを感じる旅がしたいと思いニューヨークを選んだ。

学生の頃はウィリアムクラインやウィージーの写真、そして「タクシードライバー」や「ゴッドファーザー」などの映画の街のシーンを観ていたので、マンハッタンには想いを抱いていた。ダウンタウンの人もモノも風景も街の匂いも、当時はまだすべてが生々しく感じ、すっぽりとスクリーンの中に入り込んだような気分だった。

撮影した写真は、コンタクトプリントと数枚のプリントだけをして、まとめることもしなかったが、31年経って記憶が薄れてしまうと、すでに主観からは解き放たれて、時間が写真を熟成させたることにも気付き、更に客観的に観ることができた。

フィルムの状態はかなり劣化していたが、デジタル化することにより甦らすことができた写真の存在を感じて欲しい。

杉浦正和

作品写真：クリックで拡大