私は自然と人間の関係を探求し、その関係性を通して、人間が正しいと信じる価値判断がいかに巨大な自然の前にあっては、取るに足らないことであり、可変的なものであるかを提示する。

《The white shaded backyard》連作は、人間の目的によってつくられ、使われた末に、捨てられた空間である。しかし、それはただ打ち捨てられた場所ではなく、再び本来の自然へと変化し、生成の場である。このような巨大な自然の雄大さを見つめながら、現在を生きる私たちの存在価値が果たして真実なのかの問いが生まれる。一方でイメージの中の空間は傷つき、忘れられた心の場所であり、現実を生きる私自身が癒された場所である。

《PL.A.NET》連作は、美しい宇宙空間に存在する惑星のように見える。しかし、もう少し近づいて詳しく見てみると、それは惑星ではない何かであることに気づく。美しく見えた「審美」としての作品は、やがて川の上に浮かぶ浮遊物、土壌に残る油の跡、酸化した干潟、廃水といった「醜美」へと変貌する。人間理性の判断が、そして人間が「正しい」と考える価値判断がいかにも可変的であるかを、美しさとそうでないものを絡ませて表す。

李 建英（イ・ゴニョン）「S’scape」
会期：2025年9月16日（火）～9月28日（日）
　　　12:00 – 19:00
会場：TOTEM POLE PHOTO GALLERY（https://tppg.jp）
　　　東京都新宿区四谷四丁目22 第二富士川ビル1F　　　

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