裵陳姬写真展「What a Wonderful Day! Echoes of Another Decade」

裵陳姬写真展「What a Wonderful Day! Echoes of Another Decade」
裵陳姬(べ・ジンヒ / 배진희)
2025/11/14 ~ 2025/11/25
gallery 176

TOTEM POLE PHOTO GALLERYのメンバー 姜美善(カン・ミソン)さんに紹介・仲介いただき、韓国・ソウルのmug(写真専門出版社 )、gallery the C(ギャラリー)との交流展を始めます。その第一弾として、mug 代表の裵陳姬(べ・ジンヒ)さんの写真展「What a Wonderful Day! Echoes of Another Decade」をgallery 176で開催します。

裵陳姬(べ・ジンヒ)さんは、2023年2月に開催した、姜在求写真展「入隊前夜 -soldier」の際、gallery 176にお越しいただいています。姜在求(カン・ジェグ)さんの写真集も、mug から出版されています。

また、mug が企画・運営し、2023年4月に韓国・済州島で開催されたフォトフェア「Check in Hotel Photo 2023」に、gallery 176から、西川と友長が参加しました。2023年7月にタイ・バンコクで開催された写真展「What a Wonderful Day! After 10 Years」には、タイ在住のメンバー木村も会場を訪れ、裵陳姬(べ・ジンヒ)さんと交流しています。

今回は、バンコクでの展示をベースにアレンジして展示予定ですが、どのような展示になるか楽しみです。裵陳姬(べ・ジンヒ)さんも来日され、会期中にトークイベントを開催予定です。ぜひ、お越しください。

gallery 176 西川善康

 

私(木村)がタイ・バンコクへ移った2023年、中心地トンローにあるギャラリーで開催された、裵陳姬(べ・ジンヒ)さんの個展「What a Wonderfull Day! After 10 Years」を訪れました。トンローは日本人も多く暮らす活気あるエリア。展示されていたギャラリーはBTS(高架鉄道)駅からも見える好立地で、屋外に向けて掛けられた印象的なポートレート2点が行き交う人々の視線を集めていました。

作者はかつてロンドンで学生生活を送っており、展示では、その当時撮影された友人たちのポートレートと、約10年後に再び彼らを訪れて撮影されたポートレートとが並べて構成されていました。シンプルな展示から、作者と被写体との関係性、そして時の経過がもたらす物語へと自然に思いをめぐらせました。家族を持つなど大きく変化した者もいれば、変わらず自分の道を歩み続けているように見える者もいる。彼らの個性、10年間の歩み、交わされたであろう会話の数々…さまざまなことに想像をかき立てられます。個人的でありながらも広がりのある余白を持つ作品に引き込まれていったのを覚えています。

また、同名の写真集には「この10年を振り返ってどうですか。」「当時なぜロンドンを選んだの。」といった友人たちへのインタビューや、「I am still missing you」と記された、10年後に撮影できなかった人々のポートレートも収録されています。

今回のgallery 176での展示では、上述の「I am still missing you」という言葉から始まる新たな旅がテーマとのこと。どのような展示になるのか楽しみです。

gallery 176 木村孝

 


 

作品説明
20年前、慣れないロンドンで私たちはお互いの日常の中でアイデンティティを共有した。やがてそれぞれの母国に戻って10年が経ち、再会して再び日常を共有した。さらに10年が流れた今、その記憶は残響のように現在に響き渡っている。「What a Wonderful Day! Echoes of Another Decade」は、前作「What a Wonderful Day! After 10 Years」に繋がるもう一つの出発点であり、未完の物語としての「プリクエル(前日譚)」と言える。

この新たな旅は、前作の最後に残した「I am still missing you」という言葉から始まる。この10年間、私は連絡が途絶えた当時の友人たちを探し続けた。ほとんどの友人の消息は知ることができたものの、日本人の友人とはまだ一人も再会を果たせずにいる。今回の展示は、まさに「まだ再会できていない友人たち」の国から始まる。この地から始める理由はただ一つ。いずれ彼らに再会できてこそ次の旅に進むことができるからである。

私はこの展示を通じて、誰かが私と私の日本人の友達とを繋げてくれることを心から願っている。また、私たちが再び会える日を待ち望みながら、過去から続く人生の道のりを記録し、過去と現在が交差する場として新たな文化交流と出逢いの可能性を切り拓きたい。これこそが「Unfinished Journeys — 終わらない旅」の意味である。

 


 

mug × gallery the C × gallery 176 交流展
裵陳姬写真展「What a Wonderful Day! Echoes of Another Decade」

会 期:2025年11月14日(金)〜11月25日(火)
    13:00〜19:00
休廊日:11月19日(水)、20日(木)

会 場:gallery 176(ギャラリー イナロク)
    大阪府豊中市服部元町1-6-1
    阪急宝塚線 服部天神駅(梅田から11分)下車 徒歩1分

企 画:gallery 176 西川善康・友長勇介・木村孝

 
作家在廊・イベント情報などの詳細につきましては、公式サイトの掲載ページをご覧ください。