気鋭の排他

気鋭の排他
嶋田 聡史
2018/11/16 ~ 2018/11/29
Exhibition Archives

新旧が混濁しながらも、目を惹く建造物が数多く点在する東京。
とくに昨今は東京オリンピックに向け、気鋭な建築群が軒を連ねている。
第二次世界大戦後、とくに都市において様々な需要を満たすために大量の建築物が作られたのだと聞いたことがある。
増加しつづける人口と比例し、発展しつづける産業の受け皿として建築物を大量に作ることは当時必要なことだったはずだ。
建築物の建て替えの周期は欧米が約100年、イギリスでは140年だという。
歴史と伝統を重んじる「はず」の日本は30年といわれている。
地震があり、国土に限りがある日本はスクラップアンドビルドを繰り返し、社会を様変わりさせ「麗しき国・日本」を築き上げてきた、といっても大きく外れてはいないはずだ。
現在、コンバージョンやリノベーションといった既存建造物に付加価値をつけ、用途を変えて新しく甦らせる建築のあり方も注目を集めている。
それでも建造物は今後も建てつづけていくであろう。
時代背景や環境問題など様々な要素が絡み合った、排他的な空気すら漂う変化に杭いながらも、残る奥ゆかしい建造物の造形美が写真によって付与されれば嬉しく思う。

会場:エプソンイメージングギャラリー エプサイト