forest park

forest park
青木 秀平
2013/08/20 ~ 2013/08/26
ニコンサロン

静寂が体を包む。
深い深い緑の中に体が沈んでいく。
今にも鳥の声や川の音、滝の音が聞こえてきそうだ。

私は森の中にいる。

いつもの習慣でiPadに電源を入れ
タバコに火をつける。
森でタバコを吸うなど犯罪だ。
しかし、この行為は犯罪にならない。

ここは東京都内の公園だ。しっかりと管理しされていて
もちろん喫煙所もある。
そこで私はカメラを組み立て、三脚に載せ
撮影の準備をする。

私は人間が苦手だ。
この撮影を始めてから悩まされたのは
人のしゃべり声だ。

だからiPodで音楽を聴く。

外の音を遮断し、自分の世界に入っていく。
緑と木漏れ日に包まれた世界だ。

私は三脚とカメラを担いで
公園の奥へと向かって行く。
進めば進むほど人はまばらになる。

人が全くいなくなると耳からイヤホンを外す。
しかし、新たな曲が聞こえる。
それは英国の作曲家 Brian Eno が提唱した
環境音楽(ambient)だ。

木漏れ日を見ながらまた、緑のグラデーションを感じながら
静寂な曲を感じる。
そこにはピアノもギターも何も無いが
この自然が感じさせてくれる。
繊細なテンポで美しいメロディーを奏でる。

私は写真を残すことで
視覚的にこの美しいメロディーを感じて欲しいと思った。

そして東京にもまだ美しいものがあると
知ってほしいのだ。
カラー28点。