岡田裕介 写真展「Colors ～ペンギン島の物語～」が京都写真美術館ギャラリー・ジャパネスク2F「花」にて、3月3日(火)から3月15日(日)まで行われているのでレポートをお届けします。

岡田さんは埼玉県出身。ハワイのイルカやトンガのザトウクジラ、フロリダのマナティなどを水中で撮影するほか、ロックバンド「GLAY」など有名アーテイストのライブ撮影も手掛けられております。
本展では、ペンギンたちの島、フォークランド諸島へ季節を変えて三度長期滞在し、ポートレイトのように撮影されたペンギンの写真作品を展示しております。 大自然の中、たった一人でペンギンたちと向き合い、優しく切り取られた美しい世界をご覧ください。岡田さんの在廊は3/8(日)までを予定しております。

Q．タイトル「Colors」 に込められた想いは？

フォークランド諸島には３回行きました。最初はペンギンだけにフォーカスを当てて撮影をしていたのですが、それだと独自の色が出せない。自分の色はどうやったら出せるのだろうかと考えていると、フォークランド諸島は場所も美しい所だということに気付き、ペンギンだけではなくフォークランドという美しい場所に住むペンギンを撮りたいなと思うようになりました。
そうすることで、空を見上げる回数が増え、ペンギン以外のことにも気を配って撮影するようになりました。朝日を撮っていた時に、ふと後ろを振り返ると、空が一面柔らかなピンク色に染まっていて感動しました。
そういう意味で、今回「Colors」というのは、フォークランドのカラフルな色、ピンクの空であったり、海の青さや、砂の白さだったり、彩り豊かな景色の中にいるペンギンを捉えてテーマとしました。

Q．フォークランド諸島での体験を教えて下さい

約750以上もの島々から成り立つフォークランド諸島ですが、その中で楽しい思い出としては、無人島の山小屋の扉を開けると、ペンギンの大群が見える景色があるんです。
僕一人で、何千、何万羽と360度見渡す限りのペンギンを目の前にして撮影できた事は楽しかったですね。ペンギンの島に人間ひとりで遊びに行ったという感覚を味わえる。それがフォークランドならではの体験になりますね。
逆に苦労話は特になかったですね。強いて言うならとにかく遠いって事。日本からは地球の真裏にあるような所なので、行くのに遠い島だと、片道５日くらい掛かるんですよ。その分、人がいないペンギンの世界に遊びに行けるのが楽しみですね。

Q．ペンギンや動物たちと向き合う上で心掛けていることは？

自分がいることの足跡を残さず、透明人間のようになってありのまま撮るようにしています。
僕はペンギン以外にもイルカやクジラを撮っているので、一定の距離感を保ち、動物たちにストレスを与えないように気をつけています。
その中でもキングペンギンは人間を全く気にしないので、1mくらいの距離で撮影ができるんです。その距離感でも全然逃げないところがペンギンの楽しいところですね。

Q.フォークランド諸島での撮影スケジュールを教えてください

白夜に近くて、日がくれるのが夜の22時頃、日が昇るのが朝の3時頃なので、夜は５時間くらいしかないので、朝焼けと夕暮れの時間をメインで撮影して昼間はコロニーに行って近くに腰掛けて彼らの生活を眺めたりしてますね。
美しいシーンを撮りたいので、朝夕の光が綺麗な、早朝と夕方に撮影を行うのがほとんどですね。

Q.１ヶ月も一人で行って飽きませんか？

ペンギンたちの動きがコミカルで愛嬌があって見ていて飽きないです。例えば、雛にご飯をあげている時に魚を落としてしまったり、ペンギン同士で喧嘩して内出血するまでハッスルしたり、別の母親に寄っていてしまった子どもペンギンが突かれてしまったりと個性豊かなのでずっと見ていられます。

Q．今後の展望について

次はイルカとクジラをテーマに個展をやりたいと考えています。
海辺の動物をメインテーマにしているので、トンガには毎年1ヶ月間をこれまで7回行ってクジラを撮影したり、昔住んでいたハワイや伊豆七島の御蔵島でイルカを撮影しています。
今回の展示は、ここで6箇所目なんですが、次は東京のレストラン、地元神奈川で行われる葉山芸術祭、さらに来年3月に長崎ペンギン水族館の開館20周年に合わせて、巡回展を予定しています。日本全国いろんな所で展示していきたいですね。

【岡田裕介 写真展「Colors ～ペンギン島の物語～」】
2020/03/03 ~ 2020/03/15
会場：京都写真美術館 ギャラリー・ジャパネスク 2F「花」
時間：11:00〜18:30
岡田裕介HP

【写真集「Penguin Being ー今日もペンギンー」】
日本から飛行機と船を乗り継ぎ1万マイル
ペンギンたちの島フォークランド諸島で撮影された
まるで絵本のような世界
かわいくて、けなげで、ちょっと笑える、心温まる一冊！