~アンティークカフェに流れる時間や人のぬくもりを丁寧に写し取った作品~
作品づくりにおいて、気持ちを込めることや、愛情を持って何かをすることを大事にしていると話す、フォトグラファーの阿部晴子さん。写真塾で写真を学び、暗室に通いつめ、写真家の松本路子さんのワークショップへ参加するなど、どんどん写真の世界にのめり込んでいったと言います。阿部さんが自分の撮りたい世界やテーマが明確になったのは、古机と椅子を写したことがきっかけだそう。
「どういう写真を撮るか悩みながら心に惹かれたものを撮っていく中に、旅館の古机と椅子を写したものがありました。それを見て、この写真に連ねるものを撮りたいと強く思いました。骨董品って、いろんな世代の人たちが大事に遺してきたもの。どこかの時代で捨てられていたら今この世に残っていません。そこには一人ひとりが愛情を込めて接してきた想いや記憶が詰まっています。そうした人の想いや空気を表現したいと考えています」
一生をかけたいと思える写真に出会えた自分は幸せだと、阿部さんは話してくれました。
写っているのは古時計や装飾のすりガラス、人形、アンティークの食器など。阿部さんが通いつめているという東京近郊にあるアンティークカフェの店内や古道具などを撮影したモノクローム作品です。
モノに心が宿るように、阿部さんが大切に撮りためてきた写真作品にも心が宿っているよう。一枚一枚から、古道具を大切に使ってきた人々のぬくもりが伝わってきます。
会場に展示されているのは21点のモノクロームフィルム作品です。
プロプリンターの金子典子さんが「阿部さんの作品は世界観や雰囲気が一貫しているのが魅力です。作品性が高く、ネガに情報がきちんと映り込んでいるのはさすが!」と絶賛する阿部さんの作品を見に、ぜひ会場へ足をお運びください。
【阿部 晴子 写真展「Cafe Sepia」】
会期:2018年12月9日(日)~12月15日(土)
12:00~19:00(最終日は17:00まで)
会場:アートギャラリー石
http://artgalleryishi.com/
企画:一般財団法人 戸部記念財団
問い合わせ:アトリエ シャテーニュ
http://atelier-chataigne.org/
阿部さんのwebサイト
https://harukoabe.amebaownd.com/