木村 琢磨 写真展「IMAGINARY DAY」

レポート / 2017年12月20日

地元・岡山への素直な気持ちが表現された作品!

「岡山の魅力に取りつかれてしまいました(笑)。死ぬまで撮り続けても、撮りきらないですね」と木村さん。撮影で使うカメラを手に。会場には、木村さんの作品が掲載された雑誌も置かれています。

木村琢磨さんは地元・岡山を拠点に活動しているフォトグラファーです。3年前に岡山県全域の観光写真を撮影したことがきっかけで、地元の良さを再認識。以来、作品づくりのフィールドを岡山と定め、県内の四季を撮影してきました。毎日、毎時間、刻々と変わる景色は撮り飽きることはないと言います。

会場には23点の作品が展示されています。絵の勉強をしていたという木村さんらしく、リズム感のあるメリハリの利いた展示が観る側を楽しませます。また、インクジェット用紙メーカー「ピクトリコ」のギャラリーの利点を最大限活用し、作品ごとに用紙を使い分けることで四季折々の空気感を表現。春の風景はコットンタイプの用紙、夏は強い陽射しを表現できる光沢紙、秋はデザインペーパーでしっとり油彩風に、そして冬はパール用紙で青みがかった雪のキラキラを表わしています。

大小さまざまなプリントが展示。一番思い入れの強い作品は正面奥のもの。岡山県の美咲町にある棚田。初夏のある日、雲のすき間から太陽の光が差し込む瞬間に出会ったそう。「きたーーと、感動しました。6〜7年通い詰めても、まだ新しい感動がありますね」と木村さん。

「すでにある景色に僕のテイストを加えることで、写真をアートにしたいと考えています。といっても写真を難しく考えるのではなく、被写体と素直に向き合い、自分がいいなと感じた瞬間を切り取る。何十枚と撮影しても、最初の1〜2枚が一番良いですね(笑)。岡山は僕にとって大きなスタジオ。6〜7年撮影している風景でも、毎回感動します。これからも岡山を作品づくりの場として自己表現に取り組む一方で、写真家としての活躍の場を全国へ広げていきたいと思います」。

1月からフリーランスとして活動するという木村さん。どの作品からも地元・岡山の景色に魅せられたストレートな気持ちが伝わってきます。ぜひ会場へ足を運び、地元の人も見惚れる岡山の魅力が詰まった作品をお楽しみください。

「実は、フォトグラファーとして東京へ上京しようと考えていたんです。それが、岡山県全域の観光写真の撮影をしたことでガラッと考えが変わった。少しでもタイミングが違えば、今、岡山にいなかったかもしれません。僕は岡山に引き止めてもらったような気がしています」と木村さん。自身のネームバリューを上げることで、岡山の魅力を知ってもらいたいと話してくれました。

「僕の写真を見てカメラを始めるきっかけになればいいし、地元を見つめ直し地元の良さを発見するきっかけになればいいなと思います」。東京での個展の後、地元・岡山でも展示をする予定だと、意欲を語ってくれました。

受付では、木村さんが好きだというフレデリック(レオ・レオニ作)のぬいぐるみがお出迎え。ファンの方がプレゼントしてくれたものだそうです。「変わった野ネズミの話です。ちょっとくらい周りと違っていいんだと思うことができ、作品づくりで自分の素直な気持ちを表現するようになりました」。

【木村 琢磨 写真展「IMAGINARY DAY」】
会期:2017年12月5日(火)~12月23日(土)
平日 10:00~19:00(最終日は17:00まで)
会場:ピクトリコ ショップ&ギャラリー表参道
http://www.pictorico.jp/press-release/detail/268/