三輪 薫 写真展「こころの和いろ- II」

レポート / 2019年5月10日

~写真と伊勢和紙が魅せる化学反応!銀座で日本の四季の美しさに癒される写真展〜

写真作品

写真と伊勢和紙のコラボレーションともいえるこの写真展。和紙の持つ美しい質感によって、風景画のような作品に繊細な陰影と柔らかさを深めていて、作品をより引き立てています。
伊勢和紙へのプリントが実現した2003年の写真展「風香」から、和紙プリント展を通算18回も開催されている三輪さんが目指されたのは、カメラで日本画を描くような作風の構築による日本的な作品表現。その作風で最初に問題点となったのは色をどうだすかということ。
「好きな日本画家である東山魁夷さんの手法と色の魅力を、自分の作品の中で出せないだろうかと、いろいろと試してきました」。
今回の写真展では選んだ写真にあわせ、この絵柄にはどの紙が良いだろうかと選んでいくと、結果的に14銘柄を使用されているそう。二次元の作品を三次元的に感じさせる技法と、それに適した写真との融合による作品作りにおいて、多種多様な紙を使い分けざるを得ないとお聞きしました。

会場に入ると目に飛び込んで来る、天井から吊り下げられた大きな作品は、表側は撮ったままの写真、その背面にはそれを反転した写真という、表側に背面の写真がうつりこんでいて、光を使った透過効果で魅せる展示とのこと。
「見ていただく以上、いかに楽しんでいただくか、感動をしていただくかということを大切にしています」。

三輪さんの18回に及ぶ和紙プリントの展示と、多くの展示を監修されてきた経験と知識による、和紙プリント展示のアイデアと、違った紙を重ねたりの多様なプリント方法は、お伺いしていて大変勉強になり、作品表現の無限の可能性が感じられるほど。

会場には伊勢和紙の見本も置かれていますので、実際の質感や斤量をラインナップ別にさわって確かめることもできます。
伊勢神宮に納入されている由緒ある伊勢和紙の品質の高さと、和紙プリント作品の写真表現の魅力と可能性を存分に感じられる写真展!ぜひ会場へ足をお運びください。

【三輪 薫 写真展「こころの和いろ- II」】
会場:キヤノンギャラリー銀座(日曜/祝日定休)
会期:2019年4月25日(木)~4月27日(土)
   2019年5月7日(火)~5月15日(水)
10:30~18:30(最終日15:00まで)

【三輪 薫 写真展「こころの和いろ- II」】
会場:キヤノンギャラリー大阪(日曜/祝日定休)
会期:2019年6月20日(木)~6月26日(水)
10:00〜18:00(最終日15:00まで)
https://cweb.canon.jp/gallery/archive/miwa-kokoro/index.html