髙城 芳治 写真展 『Birdscape~野鳥 瞬・彩・美~』

レポート / 2020年10月17日

~野鳥を起点に再発見される自然の魅力~

会場にて、髙城さん。

髙城 芳治さん 写真展 『Birdscape~野鳥 瞬・彩・美~』が、2020年10月22日(木)まで六本木にある富士フイルムフォトサロン 東京のスペース2で開催されています。会場には日本国内のみならず、台湾やオーストラリアなど世界各地に生息する野鳥たちの姿をとらえたカラー作品が36点展示されています。

忘れられない光景との出会い

30数年もの歳月をかけて野鳥の撮影に取り組まれている、野鳥風景写真家の髙城さん。

「兵庫県のため池を訪れた際、シラサギの群れが光輝きながら飛んでいく幻想的な光景とたまたま遭遇しました。その瞬間すっかり野鳥に魅せられてしまったのです」と、当時を振り返ります。

中央の作品は、アートフラワーをイメージして撮影されたとのこと。これらの作品からは、絵画的なセンスも感じられます!

髙城さんの作品には、野鳥だけではなく四季折々の自然風景も収められており、それらの作品を「Bird scape」と呼んでいらっしゃるとのこと。

「この言葉は鳥の「Bird」と風景の「Landscape」を組み合わせた造語。幼い頃から自然と自身の生活とが密接していたので、自然という撮影対象はとても身近な存在。「野鳥と自然」が、僕の作品制作のテーマです」

どちらも滋賀県長浜市の田んぼでタゲリを撮影された作品。「左の写真を撮影した際、雪が降り始めてきたのです。タゲリのねぐらも発見しましたし、もっと良い1枚が撮れるだろうと思ったのでもう一泊することを決めました。すると明朝、想定していた画を超える1枚が撮れて感動したことを今でも覚えています!」と、髙城さん。

鳥を起点に自然を知る

野鳥だけではなく、それらを取り巻く自然にも目を向けられてきた中で、多くの気付きがあったと髙城さんは語ります。

「鳥を撮影していると習性を知ることができますし、食物連鎖や環境問題も垣間見えます。例えば、沖縄の石垣島でしか見ることのなかったムラサキサギを兵庫で見つけたことがあります。魚が海流の影響を受けて移動するように、鳥も自然環境に応じて移動しているのです。また、鳥を撮影していると鳥が好んで食す実を知ることができ、すると花や草木のことも知りたくなります。鳥を起点とし、自然のことをより知ることができるという楽しみも、撮影を続けていく上での原動力となっています」

台湾の作品群。最近は台湾での撮影に注力されているそうです。コロナ感染症が終息したらすぐにでも撮影を再開されたいとのことで、撮影への意気込みをひしひしと感じました!

鳥に国境はない

本作のキャプションには、鳥の名称、撮影時のエピソードに加え、撮影地も記載されています。それらを眺めていると、台湾、オーストラリアなど世界各地で撮影されてきた軌跡を確認することができます。

「鳥には国境がなく、自由にどこへでも飛んでいきます。春は日本に来て、冬にはインドネシアに飛んで行ったりね。なので、本展も国という枠組みには縛られず、様々な地域の鳥の姿を展示しています」

オーストラリアのグレートバリアリーフで撮影された作品群。中央の作品は魚眼レンズで撮影され、地球の丸さも表現されているとのことです!

また本展では、野鳥たちが暮らす自然環境をより身近に感じてもらえるように様々な仕掛けを施されたとのこと。

「作品の額には自然木の額を使用し、すべて手作りで準備しました。台紙やキャプションには緑を連想させる色を採用し、会場のBGMでは鳥のさえづりを流しています。コロナ禍により世の中的にも厳しい時期ではありますが、そんな時だからこそ、ぜひ会場で自然の中にいるような一体感を感じていただき、心を癒していただけたらと思います」

本作には、野鳥たちの生き生きとした豊かな表情、それらを包み込む自然の雄大な生命力が溢れていました。そして、人間も野鳥たちと同様に自然の一員であるという気付きが得ました。これは至極当たり前のことではありますが、日常生活の中では忘れがちなことだと思います。作品の持つ力を、ぜひ会場で体感してみてください!

会場にて写真集もお買い求めいただけます。併せてぜひご覧ください!

【髙城 芳治 写真展 『Birdscape~野鳥 瞬・彩・美~』】
会場:富士フイルムフォトサロン 東京 スペース2
会期:2020年10月16日(金) 〜 2020年10月22日(木)
10:00〜19:00(最終日は16:00まで)
http://fujifilmsquare.jp/photosalon/tokyo/s2/20101602.html

髙城さん WEBサイト http://www.nature-bird.com/