【写真展紹介】伊藤 妹 写真展「エイリアンの子」

写真展紹介 / 2020年12月3日

伊藤さんは12月4日(金)、12月5日(土)(最終日は18時まで)在廊予定とのことです。詳しくは、伊藤さんのFacebookでご確認ください。

伊藤 妹さん 写真展「エイリアンの子」が、12月5日(土)まで東銀座駅にあるIG Photo Galleryで開催されています。写真家の伊藤さんは、2016年に京都芸術大学 芸術学部 通信教育部 美術科 写真コースへ入学したことを機に、本格的に写真を始められました。2018年以降、精力的に作品発表を続け、本展が初の個展開催となります。

本展「エイリアンの子」は、都市生活者としての「私」、社会の中での「私」をモティーフにしたセルフ・ポートレート作品です。同様の意図で制作された著名な作品に、アメリカの写真家、リー・フリードランダーの「Self Portrait」がありますが、伊藤さんはフリードランダーの作品を踏まえつつ、手触りの違う作品を制作しています。(本展WEBサイトより引用

また本作制作の背景には、伊藤さんご自身の幼少期の体験が関わっていました。

「小学生の頃、私は自分が認識している記憶と周囲の記憶のズレを感じていた。当時は、不思議な子という意味合いで同級生達から"エイリアンの子"と呼ばれる事となった。そんな話をいつしか思い出した私は、自身の記憶を助ける為に写真を残すようになる」(ステートメントより引用)

伊藤さんは写真を介して、自分自身と周囲との間に生じたズレの正体を探りました。そこからは他人の目に映る自身の姿が見出されるとともに、伊藤さんご自身と社会との関係性について思いを巡らせる機会にも繋がったとのこと。

「ショーウィンドウ等の写り込みの写真は、自分が写っているにも関わらずまるで何かに肉体を奪われているかのような未知の世界を感じる。影の写真は、深く自分と向き合うものであったり、本来の私らしい遊び心を持ち合わせたものとなっている。写り込みの世界と影の世界。それは、光と影の絶妙なバランスで作られ、なくてはならない関係性である。それは社会のように感じられる。私は他人の目にどのように見えているのだろうか。写り込んだモノやコトは、ヒトをどう見ているのだろうか。エイリアンの子と呼ばれた私は、世界にうまく溶け込めているのだろうか」(ステートメントより引用)

そして本作制作を通し、社会における「視点」についてまで思いは及んだとのこと。

「写真は角度や人によって全く違う見え方をする。それは社会の中での国籍・言語・文化・宗教・年齢・ジェンダー・差別などに対する視点に通ずるものだ。相手の立場に立って考えるという事は、大変難しい。しかし視点を少し変えてみれば、向き合えるのではないだろうか。本当は、私だけではなく全ての人がエイリアンの子なのかも知れない。最近になって、このネーミングをなんだかちょっと気に入り始めている」(ステートメントより引用)

■伊藤妹さん×タカザワケンジさん(写真評論家、IG Photo Galleryディレクター)による、本展のトークセッションがYou Tube(チャンネル名「IG Photo Gallery」)にて配信中です。こちらからぜひご覧ください。

本作以外の伊藤さん作品も会場でご覧いただけます。展示と併せてチェックしてみてください!

【伊藤 妹 写真展「エイリアンの子」】
会場:IG Photo Gallery
会期:2020年11月17日(火)〜2020年12月5日(土)
12:00~20:00(最終日は18:00まで)
https://www.igpg.jp/exhibition/itohmai.html

伊藤さん Facebook
https://www.facebook.com/pays.des.maimai