~人間関係の中で生じる自分と他者の違いを可視化した作品~
造形表現の学びの一環で一眼レフを使ったことが写真の道に進むきっかけだと、写真家の淵之上明日香さん。構図や光の調整によって概念以外のものが伝わる瞬間が面白く、心のイメージを可視化する作品づくりを意識しているそうです。
会場には、私たちが人間関係の中で感じている楽しさや辛さ、あるいは理不尽さや閉塞感、孤独感といった感情の違いを、監視カメラ的な別視点でとらえた作品20点が展示されています。
「昨夏に発表した『ささやきあう』という作品をきっかけに、人間関係や私と他者との違いについて考えるようになりました。Roundabout(迂回)とは、私のまわりを他者が迂回するイメージです。都会には多くの人がいますが、人々の感情が見えてこないのは、自分と他者は違う人間だから。忙しそうに見えてそうじゃないかもしれない、制限を受けているように見えて実は自由なのかもしれないなど。私が可視化したイメージを見た方の中に新しい感情が生まれると嬉しいです」
期限付助教として研究・教育に携わっている淵之上さんにとって、作品展示は研究成果報告の一環。今回の展示を通して学んだことをアウトプットするために継続的に展示をしていきたいと、抱負を語ってくれました。
淵之上さんは、2月27日(水)以外は全日在廊されているそうです。ぜひ会場へ足を運び、作品から感じた皆さんのイメージや感情について語り合ってはいかがでしょうか。
【淵之上 明日香 写真展「Roundabout」】
会期:2019年2月26日(火)~3月3日(日)
12:00~18:30(最終日は17:00まで)
会場:Gallery美の舎
http://binosha.jp/