京都写真美術館 ギャラリー・ジャパネスク 2階展示室にて、2025年6月3日(火)から6月15日(日)まで、みまつひろゆき 写真展「LIFESPEED in FLUX」を開催します。
日本全国の風景を車窓から撮影した作品には、写真ながらも絵画的で色彩豊かな印象を受けます。その表現の秘密や作品に込めた思いについて、お話を伺いました。

全日在廊予定です!
Q. タイトル「LIFESPEED in FLUX」には、どのような意味が込められているのでしょうか?
『Life speed』という車窓からの風景シリーズを制作し続けているのですが、撮れば撮るほど自分好みの構図や色味が勢いよく、そして流動的に写真に流れ込むイメージがありました。
その経験から今回のタイトルを『LIFESPEED in FLUX』として決定しました。

Q. ステートメント内の「流動的で多彩で複雑な人生」という表現が印象的でした。
風景の中に、どのような人生の断片を重ねていますか?
車窓からぼんやり風景を見ていると、周りに流されているような感覚になりますが、自分が見たい場所に意識を向けると、そこにピントが合って見えてくるんですよね。
それは人生も同じで、周りに惑わされながらも自分が見たい方向に意識を向けていくことで、徐々に進みたい方向がはっきりしてくる。
そういうことに、この作品を通して気づかされました。


Q. 日本全国で撮影されたのでしょうか?
全国各地で撮影していますが、「この場所を撮りに行こう」と決めて出かけたわけではなく、別の目的があってその場所に向かう途中で撮影したものなんです。
もともとバイクに乗るのが好きだったんですけど、このシリーズの撮影をきっかけに、電車にもよく乗るようになりました(笑)。

Q. 写真でありながら絵画的な印象も受けます。表現面で意識されていることはありますか?
絵画を見るのも好きなんですよね。印象派の画家に感化されて、特に空の色にはその影響が表れています。
また何枚も撮影することによって、少しずつ自分の味が出てくるようになって、そうやって気付いた部分も作品に反映されていますね。

Q. プリント技法に関して、こだわりを教えて下さい。
多重印刷をしているところです。これをすることで、作品に奥行きが生まれて色も深みが出るんです。
ただ、同じ作品をもう一度作ろうとすると、同じ色味を再現するのが難しいんですよね。

Q. 本展をご覧になる方には、どのような視点で楽しんでもらいたいですか?
作品を見て、その時感じたインスピレーションを伝えて欲しいですね。
美術館でもパッと見て次へ進む人と、じっくり作品を見つめる人とでは受け取る印象が違うと思います。
お客様には作品と対話するように数分でもじっくり見ていただいて、作品から感じたことや考えをそのまま言葉にして伝えて欲しいと思っています。
statement
バイク乗りの私が、流れる風景を列車の車窓から撮ってみようと思い立ち、撮り溜めた作品達です。
いつものように列車の窓からぼんやりと眺めていたある日、バイクで旅をしている自分が重なり、走り続けて見ていたい景色に加え、自分を中心とした時間が写っていることに気づきました。時間は平等であるようで不平等だったり、流れゆくことに抗えない景色は、流動的で多彩で複雑な人生を見ているようでした。生きる速さは一様ではなく、まして人と競争する必要もない。自分の視点しだいで、ポジティブなものに出来るという私の思想と、大好きな絵画にインスパイアされた影響が、作品の根底に流れているようにも感じています。また、このテーマを撮り始めた頃から、少しずつ作品も変化しています。
どこか懐かしく、どこか新しく、どこか絵画的、そんな作品を通して、私の視点を垣間見ていただき、感性を刺激されたと思っていただければ幸いです。

【みまつひろゆき 写真展「LIFESPEED in FLUX」】
会場:京都写真美術館 ギャラリー・ジャパネスク 2階
〒605-0038 京都市東山区堀池町374-2
会期:2025年6月3日(火)〜6月15日(日)
無休/入場無料
URL:https://kyoto-muse.jp/exhibition/182643
【みまつさんSNS】
写真考具 みまつひろゆき official site:https://maimuac.com/
Instagram:https://www.instagram.com/mimatsuhiroyuki/?hl=ja
X:https://x.com/maimuAC_com