「花」を撮るのは苦手だ。花の美しさをどう表現したらそれを伝えられる写真になるのか、その解答が未だに見つからないからだ。

この一年、コロナ禍により行動が制限され、人とのコミュニケーションも絶たれ、カメラを持ち出す機会も少なくなった。そんなコロナで右往左往する人間界を横目に「花」は粛々と咲き、命をつないでいた。その姿にふと突き動かされ、改めて「花」を撮ってみた。いつもより一層美しく、力強く感じた。真正面から撮ったら花に「負ける！」

そこで体をかわし、現実にない色調で表現することにした。些細な挑戦だが。

― 色は匂へど 夢現 ―

目に「見える色」ではなく、「感じる色」を探して。


本展は京都写真美術館 ギャラリー・ジャパネスク2Fで、2021年8月31日(火)から9月5日(日)に展覧いたします。
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