~真剣に時には屈託のない笑顔の海上保安学校の生徒たち。海上保安庁という存在をもっと知りたくなる写真展~
海上保安庁の現場を取材・撮影し続けている米田さんに、海上保安学校をテーマに撮られたきっかけなどお伺いしました。
「大学の先輩でもある宮嶋茂樹さんの写真集『鳩と桜 防衛大学校の日々』、写真展「THE CADETS 防衛大学校の日々」を見て、海保にも学校があり、やってみてもいいかなと思ったのがきっかけですね。違いを出す意味でも、海上保安大学校と海上保安学校の両方ある中で、現場の第一線を支える人たちを養成する保安学校を追うことにしました」。
ーいつ頃撮影されたものでしょうか。
「去年の6月から今年の1月までの半年ぐらいになります。もっと時間をかけて撮りたかったのですが、このギャラリーがクローズするということで。まず11月にした展示(「海上保安の情景」)とは違うものにしようと決め、過去の振り返りなども考えたのですが、未来につながる明るいもので終わりたいなと思い、この現在進行形のテーマを選びました。卒業式はあるのに入学式が撮れていないなど、まだ足りないところがあり完成品にはなりきっていません。今回は一つの区切りとしての中間報告で、続編をまた出せたらと思っています」。
ー普段撮られている海上保安官ではなく、学生の中に入っての印象はどうでしょうか。
「やっぱり新鮮ですね。撮っていく中で素顔も垣間見えてきますし、全国から集まってきた、飾り気がない素朴な表情を見せる若者が多いなという印象です」。
ー『海上保安庁のすべて』の執筆・撮影など、海上保安庁のスペシャリストとして取材されている米田さんですが、思い入れのあるところなどありますか。
「全国に十一管区あるのですが、自分の海保の出発点でもある横浜の第三管区ですね。 1998~1999年に横浜支局に在籍していて、その時にはじめて第三管区海上保安本部の担当になりました。毎日新聞の記者として日々取材する中で、今までまったく知らなかった世界でしたが、日本の国境は空と海しかなく、これはちゃんとやらないといけない分野だなと思うようになりました。僕ももう50ですから、そろそろ若い人で撮ったり、書けたりする人も出てきてくれるとうれしいですね」。
生徒の父兄が見に来られて、イベントで訪れる以外に見ることのない普段の姿を見ることができたと話されていたとお聞きしました。
オフィシャル写真では見ることのできない、米田さんの視線で切り撮られた作品の一点一点が、どれも興味深く勉強になります。『海猿』やニュースで見ることのある海上保安官の卵たちの、強い意志が感じられる姿や普段見ることのない学校の様子など、日本という国を海から警備している海上保安庁という存在をもっと知りたくなる写真展です。フレームマンエキシビションサロン銀座のファイナルでもあり、ぜひ会場へ足をお運びください!
【米田 堅持 写真展「海上保安学校の日々」】
会期:2020年1月22日(水)~2020年1月28日(火)
10:00~19:00(最終日15:00まで)
会場:フレームマンエキシビションサロン銀座 1Fアンビション
http://frameman.co.jp/fmginzasalon.html