群青

群青
高崎 勉
2013/07/24 ~ 2013/08/18
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 スタジオワークを主とした仕事をしているためか、太陽を遮断した空間にいると、急に青空が恋しくなる時がある。時々窓を開けて見上げる都会の空は、建造物や電線に覆われ、その隙間からほんの僅かしか見えないが、それでも抜け落ちたパズルのピースを見つけたときのように嬉しくなるものだ。
 「青」には吸い込まれそうな力がある。水や空気は本来無色透明なもののはずだが、多くの方が想起する色は「青」なのではないだろうか。
 残念なことに災害や環境破壊のニュースが後を断たない。その映像は、絵の具を混ぜたように濁った風景か、燃え盛る炎の色。静かな青い景色は極端に少ない気がする。裏を返せば「青」は平安を象徴する色ということなのだろう。
 海や空が、当たり前に青いままだと思っていてはいけないのかもしれない。
 いつまでもここが美しい場所である事を願って。

高崎 勉