小澤 太一写真展「NAURU HORIZON」

レポート / 2021年5月15日

~ナウルの美しい海とそこに住む人たちに魅せられる世界~

会場にて、小澤さん。展示終了まで毎日在廊予定されるとのこと。ナウルの空気感や余韻といったものが伝わるようなもの、7年前だったら選ばなかった作品を今回はセレクトされたとのこと。

表参道から両国へ移転した「ピクトリコ ショップ&ギャラリー」。新しい店舗は、JR両国駅西口より約2分、国技館と道を挟んで向かい側のビルの5階にあります。入り口右手にはプリント工房の受付、正面には広めの打ち合わせスペースも、 そして左奥にギャラリー&ウォールスペース。木目調の店内は安らぎを感じさせる空間になっています。

こちらのこけら落としとなる写真展「NAURU HORIZON」にお邪魔し 。2014年に行われた「ナウル日和」「NIGHT LIGHT」に続くナウルを被写体とした第三弾となる本写真展について、小澤さんにお話を伺いました。

ほぼ未発表の作品20点が展示されています。「ナウルはホテルの数が少ないので気軽には行けませんが、行けるようになったらぜひ行ってほしい」と小澤さん。

ーこのホライズン~水平線をテーマとしてナウルを再構成されることになった経緯について教えてください。

ピクトリコさんのこけら落としという、お祝いにふさわしい内容はどういったものがいいだろう、また見る人にこの気軽に海外には行けない中で、こういうところに行ってみたいなと思ってもらえるところはどこだろうと考えたときに、ナウルがいいのではと思いました。キヤノンでやったときは最初のナウルの展示でしたし、写真集をだすタイミングだったこともあり、幅広くナウルのことをお伝えしたいと思っていました。3回目となる今回はより密度が濃い展示にしたいなと、海に囲まれた島であるナウルの「水平線」に特化したものになりました。ナウルは光や色といったものがキレイです。なので、水平線はすごくいいモチーフだと、写真を選びながら感じましたし、見ていただいた方にポジティブな気持ちになってもらえたらと思っています。

ーこれまで世界中のたくさんの島に行かれた中、ナウルを選ばれたのは、小澤さん自身も強い思いがあるのでしょうか。

僕にとっては大事な国ですね。はじめての写真集をだしたところということもありますが、撮影する場所としても大好きで、いつかまた行きたいと思ってます。今ナウルは鎖国中で、コロナの非感染国としてもユニークな国の一つとなっています。こうした形で過去に撮ったナウルの作品を出展し、リセットされ 0 になった今、ナウルに行ったらどんな気持ちになるか、どういったものが撮れるのか試してみたくて。(作品を撮った)10年前より格段に良くなったカメラの性能と、僕の技術も上がっています(といいな 笑)し、また一回出会った人たちに会いに行って撮ることは、はじめましてで撮るのとは違う、作品がより深化していくのではと感じています。

ナウルをそのまま持ってきたような作品の数々。今回プリントはピクトリコの工房にお任せされたとのこと。「微妙なニュアンスを伝えても、ちゃんと反映されていたのは、流石プロの技と感じました」と小澤さん。

ー作品を拝見して、ナウルは一周19㎞という小さい島ですが、魅力は広さや物質の豊富さには比例しないのだと感じますね。

狭さが魅力なんです! 写真集にも書いたと思いますが、合計90日ぐらい行って、島を余裕で100周以上まわったと思います。所どころに奇岩や昔の遺構といった強いモチーフはありますが、ナウルの魅力はそれだけではない、見えてくるものがたくさんありました。とにかく時間だけはたっぷりあったので、ステキな出合いの瞬間を待っていました(笑)

ー色味をはじめプリントに気を使われたのではと思いますが、そのあたりをお聞きしてもよいでしょうか。

今回、ピクトリコのギャラリーということもあり紙には悩みました。ホワイトフィルム、光沢紙、ブルーラベル、半光沢と5種類ぐらいの紙でテストプリントし、2種類に絞り、最後はピクトリコさんのおすすめでもある「GEKKO ブルーラベル 」になりました。高級感もありますし黒も締まります。今回は締まりを大切にしていて、キラキラがありつつオーバー気味にしないで、暗めなトーンを作品に残したいと思いました。その締まった部分がある事で、輝く部分の光が際立ったと思います。紙メーカーのギャラリーですので、紙の良さをお伝えしたいですし、紙を合わせることで作品表現も広がってきますので、そういったことを見た方にも感じてもらえたらと思っています。

ー緊急事態宣言により展示のスケジュール変更があったりしましたが、大変でしたでしょうか。

自分にとって、見ていただくことが一番のことなので、「あの時、見に行って良かったね」と思ってもらえるように、今は展示者として感染予防対策に万全の体制をとることに尽くすしかないと思っています。一人でも来ていただける方がいれば、その方たちをギャラリーでお迎えできればと思っています。

ステートメント


島の周囲に広がる海とそこに住む人々、大切な物、キレイだと思うものは、実をいうとシンプルなものだったんだと、感じさせられます。自分が今まさにナウルにいるような、心地になる写真展。ぜひ 体感してみてください!

ウォールスペースには販売用に作られたという作品も展示されています。こちらはルーニィ247さんの額装とのこと。


≪オンライン・トークライブが開催されます≫
5月18日(火)17:30〜18:30 謎の国・ナウルを知りたい! 
ゲスト:持田貴雄(フィジー野球・ソフトボール協会会長)
※配信方法はギャラリーのFacebook及びInstagramにて。
https://www.facebook.com/pictorico.jp
https://www.instagram.com/pictorico.shop.and.gallery/


【小澤 太一写真展「NAURU HORIZON」】
会期:2021年5月12日(水)~22日(土)
11時~17時(当面の間時間短縮での営業となります)
会場:ピクトリコ ショップ&ギャラリー(日・月曜定休日)
https://pictorico.jp/press-release/detail/695/

小澤さん Webサイト
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