岩﨑和雄建築写真展「喜翁閣」

岩﨑和雄建築写真展「喜翁閣」
岩﨑 和雄
2013/01/24 ~ 2013/01/30
キヤノンギャラリー銀座

■建物概要
 建物は軒の高い総二階で、唐破風の入母屋屋根を持つ。1階は畳を敷いた書斎及び次の間と寄木張り床の食堂からなる。寄木張り床は桜、欅、槐などが用いられているが、現在は絨毯が敷かれている。食堂は二部屋に仕切って使用することもできる。内部装飾はすべて日本風であるが、12尺5寸の天井高や、吹き寄せの格天井にかけられたシャンデリアは明らかに洋風を感じさせる。
 2階は33畳敷きの広間と、幅1間半で長さ7間の広い廊下からなる。廊下の床には、隅田川にちなんで都鳥と桜花をモチーフにした、イタリア製大理石のモザイクが施されている。大理石の下には、鹿のなめし皮が10枚重ねに敷き込まれている。広間は桃山御殿のお成りの間を模してつくられており、正面には27尺の上段の間がとられている。広間は、広縁を客席とした場合の舞台として位置づけられていた。
 豪華さを余すところなく表現した建物のデザインは、桃山風あるいは日光東照宮の建物を思い起こさせる。大倉喜八郎好みの総決算ともいえる建物である。

・    :現在移築することを前提に解体された状態である。
・構  造:木造2階建て
・建築面積:254.50㎡
・延床面積:398.50㎡(1階:254.50㎡、2階:144.00㎡)

【参考文献】千葉県教育委員会:千葉県の近代和風建築 千葉県近代和風建築総合調査報告書,2004.3

 


 
会 場:キヤノンギャラリー銀座
    2013年1月24日(木)~1月30日(水)

巡回展:キヤノンギャラリー仙台
    2013年2月14日(木)~2月26日(火)