~写真とことばで人と人の思いを届ける写真展~
2スペースからなる会場をびっしりと埋めつくすのは、3.11から現在までの7年間を伝える、写真とことばです。
はじまりは2011年。3.11の直後、いてもたってもいられず物資を届けるために東北へ向かった写真家の石井麻木さん。傷ついた姿を写すことは暴力だと考えていたため、当初は写真を撮るつもりはなかったそう。しかし、地元の人たちからの「写してほしい」「残してほしい」との真剣な声に、ずっと見つづけさせてもらう覚悟を決めたのだと言います。
それから毎週東北へ通い、こころに寄り添いながら人々の姿をカメラに残しつづけてきました。
石井さんにとって東北に足を運び写真を撮ることは郵便屋さんの代わり。東北へ行こうと思っても様々な事情で行けない人たちが、石井さんの写真を通して東北にこころを向け、そうして届いた多くの声を再び石井さんが東北へ運ぶ。そういうこころの橋渡しができればと話してくれました。
「目に見える部分はきれいになっても、こころは癒えていません。3月11日だけ特集が組まれ、そのあとは急激に何事もなくなっていく様が、くやしいし、もどかしい。だから月命日の11日には、必ず何か写真やことばを発信しています。まだ終わっていないんです」
年月と共に世間の関心が薄れかけている現在も、月に2~3度は必ず東北へ。どの写真にも、家族のように、親友のようにそばで見つづけた石井さんにしか撮れない表情が写っています。
2012年3月に大阪での展示を皮切りに、全国各地でこれまで32回開催され、延べ7万人が足を運び、多くの人々が心魂を揺さぶられた写真展です。来月で3.11から8年のこの時期に、ぜひ石井さんの写真とことばを見ながら、東北へこころを向けてみてはいかがでしょう。
2スペースのうち1スペースは復興支援ブースとして、熊本地震や九州豪雨、西日本豪雨などの写真が展示され、復興支援グッズが販売されています。
また、展示期間中の2月11日(月・祝)には、会場にて写真家の平間至さんとのトークセッションが行われます。2月4日より整理券が配布されていて、定員に達したら配布終了とのことなので、気になる方はお早めにどうぞ。
【石井 麻木 写真展「3.11からの手紙/音の声」】
会期:2019年2月4日(月)~2月16日(土)
11:00~19:00(最終日は18:00まで/入場無料)
会場:全労済ホール/スペース・ゼロ B1 ギャラリー・展示室
http://www.spacezero.co.jp/information/130980
「3.11からの手紙/音の声」のWebサイト
https://www.311tegami.com/