~子ども時代に戻ったような郷愁感と優しさを感じる写真展~
子ども時代に団地内のありふれた風景として見たことのある給水塔。その姿と様々なユニークな形状に驚きつつ、日没時の夕闇に浮かぶ給水塔の作品を見ていると、不思議と郷愁にかられます。
今回の写真展や給水塔の魅力について、比留間さんに伺いました。
「今年で撮り始めて10年になります。継続して撮り続けているものなので、同じ被写体での写真展を複数回開くとしたら、それなりの切り口が必要だと思っていました。今回は自分の一番惹かれている時間帯(写真集『給水塔 Beyond the Water Tower』でも気づくと半数は夕景でした)そこに絞ることによって自分が惹きつけられるその理由を改めて考えなおし表現しました」。
「給水塔自体立派な構造物で、個としての在り方や見え方というものを訴えかけられているように感じています。自分が塔から感じる魅力の根幹を表現できるのは、日が陰りはじめたこの時間帯が一番と思っていて、塔をとりまく空気感やたたずまいも含め、作品の中にすべてを表せられたらと考えています」。
建っている目的はシンプルで生活に密着しているものなのに、あえて人の姿はなく、美しい光と空気のなかで存在するその姿は、近いようで遠い自分の姿を見ているようにも感じました。ぜひ会場へ足をお運びください。
【比留間 幹 写真展「Water Towers - Beyond The Twilight」】
会期:2019年10月3日(木)~10月9日(水)
10:30~18:30(最終日15:00まで)
会場:キヤノンギャラリー銀座(日曜定休)
https://cweb.canon.jp/gallery/archive/hiruma-water/index.html
比留間さんのWebサイト
http://www.hiruma-s.com/