~変わっていくもの変わらないでほしいもの。今ここに生きている時間を大切にしたいと思う写真展~
東京・末広町にある「PARK GALLERY」は、都会の喧騒を離れた一角にある一軒家のアートギャラリー。友達のお家にお邪魔したようなリラックスできる雰囲気の中で、アート作品を身近に楽しむことができます。
今回の展示は、PARK GALLERYでは “lovers”、book ofscuraでは“letters”という、「love letter」という同じコンセプトで、まったく異なる内容での2ケ所での展示が行われています。
ーこちらの展示作品について教えてください。
「私のまわりにはもの作りをする人たちが多く、表に出ているのは作品たちだけれど、それを作る人たち自身も美しいなと感じていて、撮りたいなと思ったのがきっかけです。家で撮るというのもテーマの一つになっています。私の撮りたいという気持ち、相手の撮っていいよという承諾があり、等しいと思える位置関係の中で、お互いに向き合い時間をかけて撮りたいと思っています。
家のこの壁の前でと場所を決め、自然光で撮っています。春夏秋冬それぞれの季節や時間によって、また着ている服でも光は違います。その一緒に過ごした時間も残したいと思っています。撮り方としてはすごくシンプルですね」。
ー作品に入っているメッセージがとても印象的ですね。
「撮らせてもらった人への贈る言葉という意味合いもあり、その人の最近の生活や作品作りについて話すうちに出てくる言葉、撮っている中で自分が感じた言葉を書いています。作品を見る方にも、文章を読むことでよりその人自身が伝わり、距離が縮まるのではと感じています」。
ーbook ofscuraで風景写真、PARK GALLERYではポートレートと異なるジャンルで撮られていますが、気持ちの中に比重があったりしますか。
「本人としては気持ちに違いはないですね。吉祥寺での展示は、付き合っていた人が病気になり『私はその人の写真を撮るんだ』という、写真を撮るということ自体にはじめて意識をもったシリーズになります。その後、彼とは別の人生を生きていくことになったのですが、人と向き合って撮ることはつらいこともあるけれど、その人自身を写真で残していくことは続けて行きたいなと思いました。
風景だからとか、人物だからという違いはなく、きちんと残っていくものをいい形で残したいなという気持ちで作っています」。
フィルムで撮影され、プリントもすべてご自分でされるという赤木さん。
「暗室で記憶の色はこうだったかな、一緒に過ごした時間はどうだったかなと思いだし、撮っていた時の時間を繰り返すことで、作品が作られていきます」とお聞きしたのが印象的でした。
過去があって未来があって、今自分がいる。眼の前にある、友人や家族その後ろに広がる日常という当たり前の風景。そのことを大切にしたいと感じる、赤木さんのやさしい愛が伝わってくる作品たち。ぜひ会場へ足をお運びください!
「lovers」
会場:PARK GALLERY
会期:2019年10月31日(木)~11月25日(月)
13:00~20:00
https://park-tokyo.com/post/188343566801/harukaakagi
「letters」
会場:book obscura
会期:2019年10月31日(木)~11月25日(月)
12:00~20:00
https://bookobscura.com/news/5d71d4c78606484eda399377