Kim Dooha Solo Exhibitions“5月のときめき”
Kim Dooha
2020/05/26 ~ 2020/06/07
京都写真美術館 ギャラリー・ジャパネスク
京都写真美術館 ギャラリー・ジャパネスクでは、2020年5月26日(火)から6月7日(日)まで、2階展示室「花」にて、Kim Dooha Solo Exhibitions“5月のときめき”を開催いたします。
本展では【もう一人の自画像/Another self-portrait】と【BOTTON SONYEO(ポトンソニョ;普通少女)】の2シリーズの作品を展示します。
※最終日17時まで
【もう一人の自画像/Another self-portrait】
ラカンは、「人間は他者の欲望を欲望する」と言った。つまり、「人間は自分ではなく、他者の望む生き方を選択する」というのである。
人間は生まれた瞬間から家では、「娘/息子らしく」「姉(兄)/妹(弟)らしく」あること、そして学校や職場では、集団の一員としてうまく機能することを求められる。それはまるで、顧客のニーズに合わせてつくられた「商品」のようである。
ならば、売れない商品は不要だというのだろうか。人と接することをやめてしまった引きこもり。もう一人の自分をオンライン上につくり上げる若者。さらに年に何万もの人が、行き場を失くして自分自身を抹消している。
「もう一人の自画像」は、現代人のポートレートである。鮮明に写し出されているのは社会の欲望通りに商品化された姿、靄がかっているのは、自分を消し去ろうとしている姿である。他人の欲望に従うのではなく自分が満足する自画像を、鑑賞者が描くきっかけになればと思う。
【BOTTON SONYEO(ポトンソニョ;普通少女)】
時の流れ、時代の背景と共に「少女」という言葉は色んな意味を帯び、そして「少女」に対するイメージは社会やメディアによって作り上げられてきた。
「少女はこうあるべき」という周囲の勝手なイメージによって、自分自身を自由に表現する事を制限され、窮屈な思いをしてきたであろう「少女」。
女性には、何か特別なことをしなくても「少女」で居られる素晴らしい時期がある。きっと誰しも少女の頃に抱いたであろう「自分の美しさを人々にアピールしたい」という欲望は、20代、30代、40代・・・と歳を重ねるにつれ、その想いを感情の奥へとしまい込んでしまったのではないか?
社会から与えられた役割や固定概念から解放された「今の美しさ」を記録したい。他にどんな意味も持たない、「少女」が皆「少女」であったということ。その「普通さ」を記録したい。