蒼い霧と仄かな光と

蒼い霧と仄かな光と
高崎 勉
2018/10/19 ~ 2018/10/21
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 旅の途中、濃霧のために足止めを食うときがある。目の前の霞(かす)みは急ぎ足で進んできた自分を留まらせるが、これまでの道のりを振り返る時間を与えてくれる。
 多くの時間をスタジオで過ごしてきたが、カメラを外に持ち出すことが増えた。都会の一隅で華やかな被写体に閃光を放つよりも、薄暗い森の中で仄かな光を探すことに悦びを感じるようになってきた自分がいる。そして気づくのだ。霧の中でライトを照らしても、その先を見通すことはできないと。
 次第に霧が晴れてくる。青く儚い想いは一つでも成就したのだろうかという問いかけを胸に、またゆっくりと歩みを進める。

高崎 勉