Eliot Pan「Mono Yoga」
Eliot Pan
2024/09/17 ~ 2024/09/29
Roonee247 Fine Arts
“Mono Yoga”
この創作はある出来事からインスピレーションを受けた。当時は小さな火種でしたが、後に私たちが想像もしなかった程度まで拡大し、野火が燎原した。
Covid-19。
2020年、私はバンクーバー空港から離陸し、台湾に帰る準備をしていた。
空港は薄暗く、まるで空虚な町のようで、その後の光景も、昔に映画でしか見たことがなかった。
人々はさまざまな防護服を身に着け、マスク、フェイスシールドなどを着て搭乗の列に並んでいた。飛行中、ほとんどの人が食事もなく、トイレにも行かなかった。
この光景を見て、何かを疑い、心配さえし始めた。 彼らは息をしているのか?
台湾に安全に戻った後、「Mono Yoga」という創作が自然とわき起こった。
長きにわたる疫病大流行の中で、私たちが必要として いるものは非常に単純なことだと気づいた。
「ちゃんと呼吸すること」である。
私は撮影を媒体として用いるクリエイターである。医療従事者のように一線で人々を支援することができないが、自らの微力を尽くし、社会的責任を果たしたいと思っている。
「Mono Yoga」シリーズの創作では、単純な信念を伝えようとしている。「ちゃんと呼吸することで、未来があり、希望が生ま れる。」(もちろん、マスクを着けないほうがより良い!)
撮影では、シンプルな光、単純な線、純粋な無彩色を選び、観客に自らの美学と気持ちを伝える。
もし本当にこの作品について何か言いたいことがあるなら、「Mono Yoga」の創作過程で、突然に、100年以上の歴史のある「写真」という技術 を使用し、千年の歴史を持つヨガと共に歩んでいることに気づいた。デジタルカメラ(DSLR)で撮影し、デジタル画像を暗室で 銀塩写真(gelatin silver prints)として現像し、最終的な展示形式としている。
これが私に与えられたカメラマンの使命だと思っている。
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この度、ルーニィでは初めて、台湾の作家・Eliot Panさんを紹介します。
作品における視点は、それぞれの経験の中で生まれるものです。コロナ禍については、世界中の人が共通の体験として数年を過ごしました。(すでにルーニィで紹介した初沢亜利さんの「東京コロナ禍」のような作品も記憶に新しいと思います)
彼が感じたのは「息をすること」
マスクが手放せない生活の中、身体的にも精神的にも息苦しい3年間を思い出します。
Eliotさんの作品は、デジタルネガを起こし、アナログな暗室での現像を経て作られています。繊細なグレーの諧調は、見えない粒子のような空気感を醸し出し、ヨガのポーズとともに深く、見るものを穏やかな呼吸を思い出させます。
本展では、台湾からEliotさんを始め、光影手工暗房工作室の皆さんもきてくださり、交流の時間を作る予定です。
改めて日時などはお知らせしますので、ぜひお集まりください。
Eliot Pan「Mono Yoga」
会 期:2024年9月17日(木)〜9月29日(日)
12:00-19:00(最終日16:00まで)
会 場:Roonee247 Fine Arts
東京都中央区日本橋小伝馬町17-9 さとうビルB館4F
https://www.roonee.jp