大坂寛 写真展「bondage」

大坂寛 写真展「bondage」
大坂 寛
2024/11/05 ~ 2024/11/17
京都写真美術館 ギャラリー・ジャパネスク

京都写真美術館 ギャラリー・ジャパネスク 2階展示室にて、2024年11月5日(火)から11月17日(日)まで、大坂寛 写真展「bondage」を開催します。
※最終日は17:00まで


写真表現の探求は作家としてのキャリアをスタートさせた時から現在に至るまで続いている。その一因ともいえるものが思春期の環境にあった。僕にとって精神的な抑圧を感じる時期もあり、それが少なからず僕の作品の根底にある気がする。写真表現のためには被写体がなくてはならない。その被写体を創作することから写真制作を始める。写真家として自らが被写体を作ることは稀有なことかもしれない。人形シリーズの「Object」や花のシリーズ「botanic hear」や今回の「bondage」がそれだ。また、そのために必要な機材であるカメラや引き伸ばし機を手作りすることもある。また、「Venes」は現像中の特殊処理を用いて完成させるなど作品を創りあげるまでの執念も根底に潜む何かがそうさせているのかもしれない。

今回の「bondage」と題した作品は、唖黙った逃げ場のない葛藤を閉じ込めた、負の濁ったエネルギーの放出を形にしたものである。植物や虫などにそれを託し、墨と溶液に閉じ込め、そこに宿る感情を写し描いたものである。長年撮り続けて個展で発表するのは今回が初めてとなる。作品はA1サイズの大型のオリジナルプリントである。

同時にPolaroid665フィルム使用したモノクロ銀塩プリントのヌード「Venes」シリーズは特殊処理を用いた銀塩時代を象徴する作品。また、浮世絵などに見られる平面的遠近法表現で、自身の生命感を投影した花のシリーズ「botanic heart」は妖艶であり、ダイナミックな作品で構成する。

※ネガが取れるモノクロポラロイドフィルム


作品写真:クリックで拡大