西村勇人写真展『Mounds』

西村勇人写真展『Mounds』
西村 勇人
2025/09/09 ~ 2025/09/22
ニコンサロン

ニコンサロンで2025年9月9日(火)から22日(月)にかけて西村勇人写真展『Mounds』が開催される。
西村は、特異的な場所や状況にいる人間とそれを取り巻く環境との関係に着目し、写真の連作によってその世界を暗示する制作を行ってきた写真作家である。
今回の写真展は、現代人の暮らしの傍らにある古墳に着目して10年以上にわたって撮影してきたシリーズ『Mounds』の作品を展示する。
古墳は全国に約16万基あると言われている。西村は、現代社会の景観と同居する古墳に着目し、これまでに日本各地の約1000基の古墳を訪ねて撮影し、RED Photo Gallery(東京)およびMATSUO MEGUMI+VOICE GALLERY pfs/w(京都)において『Mounds』展として発表するとともに、2025年4月にはMATSUO MEGUMI+VOICE GALLERY pfs/wのアーティストブックとして作品集『Mounds』(クラフティヴ電子出版)を上梓してきた。
今回の展示では、北は群馬県から南は熊本県・宮崎県に残る古墳を撮影した39点を展示する。

 


 

このシリーズは、現代人の暮らしの傍らで、それとは無関係に存在しつつ景色のなかで交ざり合う古墳に着目して日本各地で撮影し、歳月の積層の上に生きる人間のありようを現出させることを試みるものである。古墳は十数世紀前に権力者の眠る墓として象徴性も持ちつつ築造されたが、現在に至る過程とりわけ高度成長期の急激な都市化において尊厳を保持されないかたちで毀損され、または都市のうちに埋もれ静安を保てなくなっているものが少なくない。ごく近年に文化遺産としての価値が認識され、保護・保全の対象となってきたが、すでに進んだ都市化のために家屋・公共施設や公共インフラなどとの間に緩衝もなく墳丘が残る景観は、時間も意識も大きく隔たる人間の営みが隣り合う奇異な相をなしている。

 


 

西村勇人写真展『Mounds』
会期:2025年9月9日(火)~2025年9月22日(月)
   10:30~18:30(最終日は15:00まで)
   日曜休館
会場:ニコンサロン
   〒163-1528 東京都新宿区西新宿1-6-1 新宿エルタワー28階
https://nij.nikon.com/activity/exhibition/thegallery/events/2025/20250909_ns.html

 

プロフィール
西村 勇人(にしむら はやと)
1977年 島根県生まれ
主な作品シリーズとして科学の研究現場を題材とした『No Curiosity, No Life』、『Thinkings』、『Commons』、出雲地方を撮影した『根ノ国』、『Distance』のほか、現代人の暮らしの傍らにある古墳に着目して撮影した『Mounds』などがある。2025年4月に作品集『Mounds』を上梓。