藤田一咲「Cat・Cat」インタビュー

2020年10月27日

藤田一咲 写真展「Cat・Cat」が京都写真美術館 ギャラリー・ジャパネスク2Fにて、2020年10月13日(火)から11月1日(日)まで行われているのでレポートをお届けします。

――本展は猫の写真のみで構成された展示ですが、この多くの猫の写真はいつ頃から撮影されているのでしょうか。

撮影自体は随分昔から撮っているのですが、ちゃんとまとめるようになったのはカレンダーを作るっていう話がきた時からですね。そういえば猫の写真が結構あるな、と思ったんです。今回の展示に出しているのは古いものでも5年前のものですね。
猫だけを撮ろうとした事はほとんどなくて、猫がいたら撮らせて頂くといった感じで少しずつ作品が増えていきました。
僕はもともと特別猫派ってわけでも無いんです。むしろ触ったりするのは少し苦手なぐらいで(笑)
でも猫の方から「撮って」というような感じで近づいて来ることがあるからつい撮ってしまうんですよ。

―― 撮影されている猫のほとんどが野良猫だということに驚かされたのですが、どのようにしてこんなにもリラックスした状態の猫を至近距離で撮影されているのでしょうか。

撮影するときの距離は本当に近いですね。猫が寝そべっていたら、僕も近くで寝そべって撮影します。周りから見たら「なんだこの人」と思われていると思います(笑)
立った状態で猫を撮影される方もいますけど、やはり猫に警戒してほしくないので、基本的に猫の目線より高い位置で撮影しないように心がけています。

―― 魚を咥えた猫の写真を拝見したときに、こんな漫画のようなシチュエーションがあるのかと驚かされました。あれは偶然撮影できたものなのでしょうか。

そうなんです。魚を咥えさせて走らせるなんてことはできないですからね。なにより僕は猫の撮影のときに餌を与えたりはせずに撮影しているので、本当に偶然でした。
僕は普段カメラをぶら下げて過ごしているわけでもないので、たまたまカメラを持っているときに遭遇したから撮影できたものです。
猫がいたらカメラを取り出して、猫と一緒に寝そべって、しばらくしてやっと撮るような感じなので、とっさに撮影したりすることはもあまり無いです。
猫の時間に合わせているような感覚で、ゆっくり撮っています。

――藤田さんは猫以外に、グラビアであったり、スナップなど様々な写真を撮っていますが、それぞれ藤田さんの中で切り替えているものはあるのでしょうか。

全然ないですね(笑)猫だからこうとか、女性だからこうとかはあまり分けていないんです。むしろ、動物だからといって手を抜かずに人物を撮るときと同じ感覚です。猫のポートレートを撮っているような気持ちですかね。

――今後の活動についてお聞かせください。

12月16日発売の本があるので、その準備をしています。
「ホーム・フォトグラフィ」という本が玄光社から発売されます。
本来は海外へ取材に行ったりもするんですが、コロナの影響もあって今はありません。今回展示している猫も、中には台湾やマルタ島で撮影した猫も混じっています。
野良猫との出会いは一期一会だと思っているので、撮影した猫たちはどうしているんだろうかと考えたりもします。写真をみて「そこに猫がいたんだな」と感じてくれたら嬉しいです。
いつか猫を撮るための旅もしてみたいです。

【藤田一咲 写真展「Cat・Cat」】
2020/10/13(火)〜2020/11/1(日)
会場:京都写真美術館 ギャラリー・ジャパネスク 2F
時間:11:00〜18:00(最終日17:00まで)
★WEB写真展を同時開催中!
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